シンポジウム-本部企画・一般公募
創立90周年記念第64回日本生物工学会大会では、10月24日(水)から26日(金)に本部企画4件と一般公募で採択された12件の課題についてシンポジウムが開催されます。
1. 醸造における品質へのこだわりとその製造技術(本部企画)
- オーガナイザー: 坂口 正明(サントリー 酒類)・秦 洋二(月桂冠)・西村 顕(白鶴酒造)・後藤 奈美(酒類総研)
- 10月24日(水)午前 9:00~11:55 A会場(国際会議室)⇒プログラム
各メーカーの商品の付加価値は、こだわりの品質が支えております。その品質に関与している酒類メーカーの特徴的な製造技術を披露し、ものづくりや品質に対する考えを発表いただきます。
2. 第1回地域連携シンポジウム(本部企画)
持続可能なまちづくりを目指すバイオマスタウン構想
- オーガナイザー: 新名 惇彦(奈良先端科学技術大学院大学)・木田 建次(熊本大)・稲垣 賢二(岡山大)
- 10月24日(水)午後 14:00~18:30 E会場(501)⇒プログラム
- 参加費: 無料(事前登録要)
※同会場で開催されている日本生物工学会大会に参加される場合は別途参加費が必要です。
⇒詳しくはこちら
全国で展開しているバイオマスタウン構想を俯瞰し、構想の実現に向け日本生物工学会が果たすべき役割等について議論を深めます。
3. 産学の研究・開発の現状と連携、学生への期待について(本部企画)
- オーガナイザー: 柳 謙三(サントリーホールディングス)・川面 克行(アサヒグループホールディングス)・日野 資弘(アステラス製薬)・坂口 正明(サントリー酒類)
- 10月25日(木)午前 9:00~11:55 A会場(国際会議室)⇒プログラム
産学官の交流・共生のためには、お互いの研究・開発に対する考え方や現状を認識する必要があります。今回は、産学の指導的な立場におられる演者によって、各々の研究・開発の現状を紹介していただき、学生への期待を込めた提言を発表いただきます。
4. 培養とそのダウンストリームプロセスの最前線(本部企画)
- オーガナイザー: 長棟 輝行(東京大学)・松井 和彦(味の素)・石川 陽一(バイオット)・佐久間 英雄(丸菱バイオエンジ)
- 10月26日(金)午前 9:00~12:00 E会場(501)⇒プログラム
培養、スールアップ、計測、ダウンストリーム技術の進歩によって、その技術は、様々な産業に活用、実用化されております。その最新の研究や実用化の事例について講演いただきます。また、中国の発酵工業と発酵技術の現状についても紹介いたします。
5. 実用化に資する医薬品生産培養技術の課題と展開
- オーガナイザー: 長森 英二(大阪大学)・加藤 竜司(名古屋大学)・清水 一憲(京都大学)・柳原 佳奈(医薬基盤研)
- 10月24日(水)午前 9:00~12:00 E会場(501)⇒プログラム
動物細胞培養技術は、抗体医薬などの医薬生産手段、さらに再生医療における移植用細胞の調製手段として、そのステージは学から産へと移行してきました。本シンポでは、当該技術の今後の産業展開および世界的な潮流を展望すると同時に、当該分野における未解決な重要課題、さらには若手への期待までを「産」「学」「官」を代表可能なシニア・中堅の先生にご講演およびご提起を頂きます。
6. D-アミノ酸に着目した新規食品機能の開発:現状と展望
- オーガナイザー: 大島 敏久(九州大学)
- 10月24日(水)午後 13:30~16:00 F会場(502)⇒プログラム
光学活性なアミノ酸の分析技術の発展・進歩に従って、微生物だけでなくヒトを含む真核生物にも様々なD-アミノ酸の存在が判明するとともに、記憶や学習、脳ホルモン分泌、また老化など様々な生理機能との関連が明らかになりつつあります。D-アミノ酸に注目した食品機能の開発の現状を把握し、この分野の研究開発を加速するために本シンポジウムを開催します。
7. デザイナブルバイオインターフェース
- オーガナイザー: 堀 克敏(名古屋大学)・神谷 典穂(九州大学)
- 10月24日(水)午後 16:40~19:00 F会場(502)⇒プログラム
複数の生体高分子が絶妙な距離と順番で配向することによって、物質、電子、情報等を効率的に伝達・変換する生体膜のようなバイオインターフェースを、デザイン・構築する試みを議論します。
8. 真核微生物に学ぶ新しいストレス適応機構と発酵・醸造食品への応用
- オーガナイザー: 北垣 浩志(佐賀大学)・高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)
- 10月25日(木)午前 9:00~12:00 E会場(501)⇒プログラム
酵母や麹菌などの真核微生物は、発酵生産環境において種々のストレスに曝されています。本シンポジウムでは、真核微生物の新しいストレス適応機構の解析(セラミド、低酸素、NO、アセトアルデヒド)と実用菌株育種・発酵食品開発への応用(焼酎、ビール、醤油、パン)について、ユニークなアイデアや新しいアプローチに基づく最先端の研究成果を紹介します。
9. バイオフィルム感染症の新治療戦略
- オーガナイザー: 池田 宰(宇都宮大学)・常田 聡(早稲田大学)
- 10月25日(木)午後 14:00~16:20 E会場(501)⇒プログラム
難治性感染症の80%以上にバイオフィルムが関与しており、そのバイオフィルム中での細菌間コミュニケーションおよび休止細菌の存在が難治性の主要因として注目されてきています。本シンポジウムでは、これらの知見を活かし従来の抗生物質に代わる新たな抗菌薬の開発へ結びつける先進的な研究を集め、難治性バイオフィルム感染症の新たな治療戦略を提唱することを目的としています。
10. 耐熱性微生物が拓く高温発酵の世界
- オーガナイザー: 松下 一信(山口大学)
- 10月25日(木)午後 16:40~19:00 E会場(501)⇒プログラム
常温性発酵微生物を用いた微生物産業は「冷却」を含めた多大のエネルギー消費によって安定な生産性を確保しています。そのため、温暖化に加え、エネルギー危機を迎えている昨今、エネルギー消費を抑制し、かつ安定な発酵生産が保障される耐熱性発酵微生物を利用する高温発酵が注目を集めています。これまでに得られてきた耐熱性発酵微生物の分離, 育種や高温発酵系の開発の基礎的研究成果に加え、すでに始まっている「高温発酵の実用化試験」の情報も含め、新しい発酵技術として産業界へ提案します。
11. 多様な酵母の研究に期待する
- オーガナイザー: 正木 和夫(酒類総合研究所)・高久 洋暁(新潟薬科大学)
- 10月25日(木)午後 14:00~16:20 F会場(502)⇒プログラム
昨年20年ぶりに刊行された「THE YEASTS 第5版」には1300種以上の酵母が記載されており、その多様性の中には産業微生物としての有用性が期待されるものも多くあります。これら酵母の多様性、有用性について長年にわたり研究を行われた先生から、それぞれの酵母研究の始まりと内容、時代背景、さらには、今後の酵母研究についての期待されることなどを講演いただきます。
12. 多様なバイオディーゼル燃料がポスト化石燃料時代の地球に果たす役割
- オーガナイザー: 梶山 慎一郎(近畿大学)・土本 卓(大阪大学)
- 10月25日(木)午後 16:40~19:00 F会場(502)⇒プログラム
バイオディーゼル燃料(BDF)は環境負荷の低い化石燃料代替エネルギー源です。多様なバイオマスがBDFの原料として利用可能であり、それらの研究開発が大きく進展しています。本シンポジウムでは油糧植物や藻類など様々なBDF原料の研究者による講演を開催し、BDFの今後の課題と、ポスト化石燃料時代の地球に果たす役割について考えます。
13. 日本から発信する、エネルギー革新省エネ型炭素固定とe-バイオの融合
- オーガナイザー: 石井 正治(東京大学)・阪井 康能(京都大学)・加納 健司(京都大学)
- 10月26日(金)午前 9:00~12:00 F会場(502)⇒プログラム
生物の代謝はエネルギー獲得(酸化還元反応、電子授受反応)を軸として機能しています。このことは、生物の代謝を有効利用し物質生産、炭素循環の健全化による環境問題の解決、へと活かそうとする時、鍵となる電子授受反応(系)を詳細に理解し、解析、改変することが重要であることも示しています。本シンポジウムでは、生物代謝と電気・電子の接点を見つめ、その学術的基盤を明らかにした後、生物代謝、特に炭酸固定代謝や中央代謝、を電子授受の視点から捉え、応用可能性を探っている研究を紹介します。
14. 生産性向上を実現する微生物培養技術
- オーガナイザー: 堀内 淳一(北見工業大学)・岸本 通雅(京都工芸繊維大学)
- 10月26日(金)午後 13:30~16:00 E会場(501)⇒プログラム
指数流加培養が日本で発明・命名された技術であり、高密度培養や知的制御が世界をリードしてきたように、高度な微生物培養技術は、日本の発酵産業を支え、最も強みを持つ生物工学分野の一つです。そこで本シンポジウムでは、実際の発酵生産に貢献した培養技術・手法について講演をお願いします。
15. 産業再活性化の鍵となる環境浄化技術-バイオレメディエーション-
- オーガナイザー: 福田 雅夫(長岡技術科学大学)
- 10月26日(金)午後 13:30~15:50 F会場(502)⇒プログラム
環境汚染問題は、バブル期以降の経済低迷下の日本において、企業活動・経済流動性の大きな阻害要因であり解決すべき喫緊の課題です。本シンポジウムは、生物工学会での研究者層の厚い本分野に関して、政治環境(官)・技術開発(学)・応用(産)のそれぞれの立場から、(i) バイオレメディエーションをめぐる情勢、(ii) 従来の問題点、(iii) 近年の動きと期待される技術、(iv) 応用の現状と今後の課題、の視点で話題提供して頂きます。
16. 幹細胞産業における培養工学の研究動向
- オーガナイザー: 紀ノ岡 正博(大阪大学)・酒井 康之(東京大学)・黒澤 尋(山梨大学)
- 10月26日(金)午後 13:30~15:30 B会場(401)⇒プログラム
間葉系幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、iPS細胞などを材料は、移植用材料や創薬スクリーングなどとして活用され、再生医療産業や創薬産業などに貢献できる新たな材料産業として期待されています.本シンポジウムでは、産業界から、幹細胞産業のポテンシャルを示すとともに、学側から、基礎的な工学研究、培養工学的視座からの研究の将来性について最新動向を含めて議論し、日本発の技術として欧米を中心とした世界への展開について、技術・標準化について官側からの発表を用い議論します。