平成22年度日本生物工学会年次大会は、2010年10月27日~29日の3日間、宮崎市のワールドコンベンションセンターサミット(フェニックス・シーガイア・リゾート内)を会場として開催される運びとなりました。

宮崎での年次大会開催は初めてであり、雄大な太平洋に面した会場は冒頭の写真のようにすばらしい景観を参加者に与えてくれます。同時に、授賞式がある初日からすべての発表・展示などや懇親会をもワールドコンベンションセンターサミットに集約して行うことができ、多くの参加者が情報交換や交流を行いやすい環境です。

今回の大会は「伝統の技と先端科学技術の融合」という宮崎ならではのテーマを掲げています。「南九州=焼酎文化」ですが、お酒一つをとっても、伝統的な手作りが見直され、手間暇をかけて吟味した材料を使ったものに消費者の高級志向がマッチし注目されています。一方では、最先端の科学技術(ゲノミクス、プロテオミクスなど)を醸造に活かせないかといった研究も精力的に行われています。

本大会の大きな特徴は次の四つです。

  1. 一般講演をポスター発表とした
  2. シンポジウムを本部企画と一般公募の二本立てとした
  3. 民間企業のアピールの場としてランチョンセミナーを設けた
  4. 全国の大学・公設試などから自慢のお酒を展示する「全国酒自慢」コーナーを設けた

特に、本部企画のシンポジウム1) 酒類の香気成分研究の新展開-お酒の香りの基礎から最新研究まで-、2) 醗酵工業とものづくりの最前線、3) 大学発技術シーズ発表会<物質生産、装置、分析、周辺機器に関するシーズ提案>)は、一般公募で選ばれたシンポジウム13テーマとランチョンセミナー12テーマと共に、大会参加者に伝統技術と先端技術の融合の必要性を提示するものでしょう。この大会には、毎年、全国の大学、研究所、民間企業等から、1500名程度の研究者が集まり、バイオテクノロジー領域における最新の研究成果が発表・討論され、最先端の情報交換が行われております。今大会にも多くの方々に御参加頂けるものと期待しております。

九州支部役員をはじめ大会実行委員一同、円滑で活気のある学会運営ができ、参加された皆様の最新の研究成果の発信と新たなるネットワーク形成の場をご提供できるよう、オール九州一丸となって全力を挙げて準備を進めております。宿泊等に関しても、参加しやすい価格設定など、最大限の努力をしておりますので、奮ってご参加頂けますよう、宜しくお願い申し上げます。なお、大会後は疲れを癒すためにも、神話の里、宮崎での休日をお楽しみいただければ幸甚です。

 

平成22年4月

第62回日本生物工学会大会(2010)
実行委員長 園元 謙二
(九州大学大学院教授 教授)