大会実行委員長 伊藤 伸哉

第68回日本生物工学会大会は、2016年9月28日~30日の3日間、富山市の富山国際会議場―ANAクラウンプラザホテル富山を会場として行われました。同会場はJR富山駅から徒歩圏内にあり、また大会会場を中心に宿泊施設も多数あり、参加者の皆さんの交通の利便性を特に重視しました。初日午前中には、授賞式、受賞講演があり、28日午後からは3日間にわたり、ポスター発表による一般講演と5会場を使ったシンポジウム講演20件が行われ、28日夕刻には懇親会、29日夕刻には若手交流会と展示企業懇親会が開催されました。

 

会場からの眺め(富山城址公園)

<富山城址公園>

日本生物工学会大会が日本海側で開催されるのは初めてであり、地方都市ということもあり参加者が少ないのではないか、時節によっては宿泊がタイトになるかもしれないなど不安要素もありましたが、一般講演申込数は732件、学会参加申込(予約、当日を合わせ1480名、内海外参加者33名)、若手交流会(140名)と多くの方が大会に参加され、昨年の鹿児島大会、一昨年の札幌大会に次ぐ参加者規模となり、最終的には大盛会となりました。

 

懇親会にはご招待者を含めて560名以上の方に参加いただきました。お約束したように富山湾握り寿司、シロエビのから揚げ、ホタルイカ、富山ブラックラーメン、地酒コーナーなど富山ならではの料理を楽しんでいただけたと思います。「懇親会終了まで料理があって、とても良かった」というお褒めの言葉を多くいただきました。

附設展示には48社にご協賛いただき、またランチョンセミナーとして9社に技術セミナーをご提供していただきました。附設展示場所にはドリンクコーナーとコーヒーコーナーを設けました。最終日にもソフトドリンクが多く残るほど協賛企業の皆様から多大のご協力を得ました。実は私はコーヒー党ですが、コーヒーコーナーも盛況で1000杯以上を提供しました。ランチョンセミナーにおいては、事前予約システムの予約数を参考におおよそ1日当たり470–490食を準備しましたが、ほとんど過不足なく、セミナーに参加いただけました。実はお弁当も3日間、異なる弁当屋さんに発注したのですが、いかがだったでしょうか。私も最終日のみランチョンセミナーに参加しましたが、内容もよく工夫されており研究に役立つセミナーでした。また一部は海外の講演者によるランチョンセミナーも開催されました。

ポスター会場の様子

<ポスター会場>

 

一般講演のポスター会場は国際会議場とANAクラウンプラザホテルの2会場で分野別に分けての開催となり、ややご不便をお掛けしたかもしれません。充分に議論のスペースを取ったつもりでしたが、分野によっては混み合っていたようです。空調なども気を使って調整しました。今回はポスターを3日間で4セッション設けた関係もあり、最終日の午後のセッションは会場によっては参加者が少なかったようです。

 

今回、要旨集のレイアウトや掲載順などはよく工夫された昨年の鹿児島大会に準拠して行いました。要旨は時系列に沿って記載しました。概ね使い勝手は良かったと思います。また観光スポット入りのコンベンションバッグも準備しましたが、次回富山に来られる際の観光の目安に使っていただければと思います。特に研究分野の名称については、一般講演の件数などをチェックし再度見直しを行いました。ePUBの閲覧が会場でも容易に行えるように、無料のWi-Fi環境を整えましたので、スマホ、PC、タブレットなどの会場での接続速度は十分だったのではないでしょうか。

 

シンポジウム会場

<シンポジウム会場>

シンポジウムの公募では、「国際的なバイオの展開を目指して」をテーマとし、大会中2件の本部企画シンポジウムを含む計20件の公募シンポジウムを開催しました。今大会では特にグローバル化を意識し、海外留学生や研究者にも門戸を開く英語での国際シンポジウムを6件開催しました。シンポジウムプログラムは委員会でもかなりの議論を重ねて選定しました。今回、KSBBからの招待講演者にはこれらのうちの内容の近いセッションに加わってもらいましたが、その結果、時間的に少しタイトなシンポジウムになったところもありました。残念なことに、同時間帯に英語のシンポジウムが重なった場合は参加者が少なくなり、これが反省点となりました。重複がない場合は70–80名の参加がありました。今回の大会はシンポジストを海外から招聘いただいた関係もあり記念大会を除けば海外参加者が33名と多数に上っています。海外招待者の方にも参加いただけける英語でのシンポジウムを毎年続けていき、それが定着すれば、生物工学会年会の姿も少しずつ変わっていくのではないかと期待しています。私は個人的に英語が得意な訳では決してありませんが、日英の二か国語で運営していくのが大会の将来の姿のように感じています。

生物工学会大会は多くの場合9月の大学の夏休み期間の開催が多く、この時期台風なども心配されましたが、台風の影響はありませんでした。ただ関西方面からは一部列車に遅れがありました。天候は3日間の内、初日と2日目は雨、3日目のみが晴れだったのは少々残念でした。

今大会でも多くの企業様からビール、ウイスキー、乳酸菌飲料などのソフトドリンクなどのご提供とランチョンセミナーの実施、要旨集の広告掲載による御協賛をお引き受けいただきました。産学連携は生物工学会の特徴でもあり、幅広い関連企業との相互の関係を構築することは本会にとってとても重要です。また、中西印刷、ダイナコム、エーイー企画、富山コンベンションビューローなどの各社・法人と学会事務局との共同作業によって大会準備・運営を順調に行うことができました。ご協力、ご支援いただきました企業および団体各社様に心からお礼申し上げます。

最後に、富山大会は中部支部全体での開催を掲げ、シンポジウムの計画(一部)と選定、プログラム・要旨作成、トピックス選定、飲料依頼など中部支部8県の全県のメンバーで臨みましたが、太平洋側(愛知、岐阜、三重、静岡)と日本海側(富山、石川、福井、 長野)に所属する先生方の役割分担をうまく行うことができました。したがって会場で運営に当たっていたのは、もっぱら日本海側の先生方、PCO(富山県のコンベンションサポート会社)とANAホテルおよび富山県立大学と富山大学のアルバイトの皆さんです。また、富山県と富山市からは多額のコンベンション補助をいただきました。最後に実行委員会のメンバーを中心に本大会にご協力いただきましたたすべての皆様に心より感謝申し上げます。

授賞式(会長挨拶)

<授賞式(会長挨拶)>

懇親会での鏡開き

<懇親会での鏡開き>

 

2016年度学会各賞受賞者(敬称略) 後列向かって左から、南畑、Ellen、西川、劉、石井、白米、安達、中列左から、Auesukaree、Thumarat、鈴木、高木、田代、上平、松本、 前列左から、園元、本多、坂口、松井、伊藤、松浦、河原

<2016年度学会各賞受賞者>(敬称略)
後列向かって左から、南畑、Ellen、西川、劉、石井、白米、安達、
中列左から、Auesukaree、Thumarat、鈴木、高木、田代、上平、松本、
前列左から、園元、本多、坂口、松井、伊藤、松浦、河原

 

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