【関西支部】第99回 醗酵学懇話会
- 日時: 2011年8月5日(金)13:00~17:30
- 場所: キリンビール株式会社 神戸工場
〒651-1516 神戸市北区赤松台2-1-1 TEL. 078-986-8001
- 講演(13:00~14:50):
「シンセティックバイオエンジニアリングによるバイオエタノール生産酵母の育種」
…(神戸大学自然科学系先端融合研究環)蓮沼 誠久
「食用酵母Candida utilisを用いた有用化合物の生産」
…(キリンホールディングス 株式会社 技術戦略部 フロンティア技術研究所)生嶋 茂仁
- 見学: キリンビール神戸工場(15:00~15:50)
- 懇親会: キリンビール神戸工場(16:00~17:30)
- 参加費: 1,000円(不課税・学生無料)
*当日会場にてお支払い下さい
- 懇親会会費: 2,000円 学生 1,000円(税込み)
*当日会場にてお支払い下さい
- 定員: 70名(定員になりしだい締め切ります)
- 申込み方法: 氏名、連絡先、TEL、懇親会の出欠を明記の上、下記宛にお申し込み下さい。
- 申込先: 大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻
日本生物工学会 関西支部庶務担当
岡澤 敦司
TEL.&FAX. 06-6879-7425
E-mail:
- 交通: JR福知山線三田駅前から懇話会出席者専用の送迎バスを運行する予定にしています。詳細は参加申込者に直接ご連絡いたします。三田駅前からキリンビール神戸工場まではタクシーで2,300円程度です。
「シンセティックバイオエンジニアリングによるバイオエタノール生産酵母の育種」
神戸大学自然科学系先端融合研究環 蓮沼 誠久
近年、再生可能で食糧と競合しないリグノセルロース系バイオマス資源を原料としたエタノール生産に注目が集まっている。バイオエタノール生産プロセスにおいて、酵母を用いた発酵工程では、バイオマスの前処理工程で生成する酢酸やギ酸、フルフラールによる発酵阻害が問題となっており、酵母育種の観点からは発酵阻害物耐性を有する酵母の創製が求められているが、発酵阻害の分子メカニズムが明らかになっていないため、耐性を付与するための分子育種戦略の立案が困難であった。
本講演では、メタボロミクスやトランスクリプトミクスなどの網羅的解析技術を用いた発酵阻害物応答因子の特定とグローバルアプローチに基づく有用酵母の育種成果について紹介する。
「食用酵母Candida utilisを用いた有用化合物の生産」
キリンホールディングス 株式会社 技術戦略部 フロンティア技術研究所 生嶋 茂仁
トルラ酵母と呼ばれるCandida utilisは調味料の生産に用いられる食用酵母である。パン酵母Saccharomyces cerevisiaeとは異なり、充分なエアーを与えた培養条件ではエタノールを作らないCrabtree効果陰性の特徴を有しているため、糖を効率よく菌体成分に変換できるメリットがある。そこで我々は、1990年初頭から、このトルラ酵母を素材とした宿主・ベクター系の開発に取り組んできた。さらに、この組換えDNA技術を用いて、バイオマス・プラスチックのモノマーとして注目されている乳酸などの有用化合物を高生産できるトルラ酵母株を構築することに成功した。
本講演では、有用化合物生産のホストとして有望なトルラ酵母に着目した我々のこれまでの研究開発を紹介する。