【関西支部】第98回醗酵学懇話会
標記例会ならびに懇親会を下記の通り開催いたしますので、多数ご参加下さい.
- 日時:2010年11月26日(金) 15:00~19:30
- 場所: 奈良市ならまちセンター
(〒630-8362 奈良市東寺林町38番地、近鉄奈良線「奈良駅」下車 徒歩約10分、JR関西本線「奈良駅」下車 徒歩約15分) Tel: 0742-27-1151 (代表)
- 講演: 15:00~16:50
「菩提もと清酒の復活」(奈良県工業技術センター)松澤 一幸
「奈良八重桜から分離した花酵母で造った爽やかな旨味の清酒」(奈良女子大学理学部)岩口 伸一
- 見学: 17:30~18:00 春鹿酒造(株式会社今西清兵衛商店)
(奈良市福智院町24-1、ならまちセンターより徒歩5分)
- 懇親会: 同上 18:00~19:30
- 参加費: 500円 (不課税) 学生無料
(当日会場にてお支払い下さい)
- 懇親会費: 2,000円(税込み) 学生無料
(当日会場にてお支払い下さい)
- 定員: 50名(定員になりしだい締め切ります)
- 申込み方法: 氏名、連絡先、TEL、懇親会の出欠を明記の上、下記宛にお申し込み下さい。
- 申込先:
〒558-8585 大阪市住吉区杉本町3-3-138
大阪市立大学大学院理学研究科
(社)日本生物工学会 関西支部庶務担当
藤田 憲一
Tel: 06-6605-3163 Fax: 06-6605-3164
E-mail:
講演1 「菩提もと清酒の復活」
奈良県工業技術センター 松澤 一幸
室町時代、日本酒は寺院で競って造られ清酒醸造技術が大躍進した。寺院で造られたお酒は僧坊酒とよばれ 1. 酒母の製造技術 2. 原料処理技術 3. 大量製造技術 4. ろ過技術 5. 加熱殺菌技術など、現在の清酒造りにおいて重要な技術が開発された。酒母の原形である「菩提もと」は、奈良県菩提山正暦寺で創製され全国に普及したが大正時代に途絶えたとされていた。そこで「菩提もと」を復元するため研究に着手し、科学的にそのメカニズムを解明することにより商品化に至った。本講演では、菩提もと復元のプロジェクト(記録映画)を紹介するとともに、菩提もとのメカニズムについて概説する。
講演2 「奈良八重桜から分離した花酵母で造った爽やかな旨味の清酒」
奈良女子大学理学部 岩口 伸一
奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)から分離した酵母を用いて発酵食品の開発を行う「奈良八重桜プロジェクト」が平成18年に発足した。本プロジェクトの一つとして、奈良女子大学の学章、奈良県花、奈良市花に用いられている日本古来の奈良八重桜から酒酵母を分離した。桜から酒酵母を分離する試みは、これまでにもいくつかの大学、県で試みられているが、そのほとんどがソメイヨシノに由来するものである。分離株は、高い有機酸と芳香の生成能など協会酵母にはない際だった特徴を有している。この酵母を用いて製造した清酒「奈良の八重桜」は、これまでの日本酒と趣の異なる爽やかなワイン風味のものと評されている。本講演では、清酒「奈良の八重桜」の開発プロジェクトについて紹介する。(生物工学会誌 第87巻、第7号 「大学発!美味しいバイオ」関連記事掲載…奈良八重桜から分離した花酵母でつくった爽やかな旨味の清酒)