第63回日本生物工学会大会(2011年9月26日~28日、東京農工大学にて開催)では、本部企画として以下のシンポジウムとワークショップを開催しました。

酒類の食味成分研究の新展開〈シンポジウム〉

  • オーガナイザー:下飯 仁(酒総研)、坂口 正明(サントリー)、秦 洋二(月桂冠)

酒類においての香味は、その品質や特徴を決定する最も重要な要因である。昨年の本大会シンポジウムにおいては、まず酒類の「香り」に着目し、清酒、焼酎、ワイン、ビールなどの様々な酒類の香気成分研究の最新の研究成果を紹介していただいた。本年は酒類の「食味」をテーマとし、味覚と嗜好に関する基調講演や各酒類の最新の研究事例を発表していただき、酒類における食味の役割や今後の食味研究の発展について議論する。また昨年と同様各講演には、最先端の研究成果だけでなく、これまでの各酒類の食味研究の概論も加えて発表していただくこととし、分野外の研究者にとってもわかりやすい講演内容としたい。⇒プログラム
 

大規模ゲノム情報の生物工学へのインパクト〈シンポジウム〉

  • オーガナイザー:町田 雅之(産総研)、稲垣 賢二(岡山大)

次世代シークエンサーに代表されるように、ゲノム情報の生産と利用は新たな転機を迎えている。生物情報の爆発は単なる塩基配列に留まらず、発現、タンパク質、化合物など、あらゆる生物情報に及び、これらの情報の利用は、研究開発効率の大幅な向上をもたらすと同時に、有効に利用できないことは競争力の失墜を意味する。生物情報の効果的な利用には、ドライ(情報処理)とウェット(生物解析)の有機的な連携が必須であるが、有効に機能しているところは現在でも限られている。本シンポジウムでは、最も効果的な利用が期待できる発酵産業、化学産業などのバイテク産業に焦点を当て、これまでの成功例のポイントと今後の展開について議論したい。⇒プログラム

シーズ発表会〈ワークショップ〉

  • オーガナイザー:日野 資弘(アステラス製薬)、松井 和彦(味の素)、 奥村 康(鳥居薬品)

産官学それぞれの研究機関が保有している産業上未利用の技術シーズを公開していただき、その活用を図ることを目的としたものである。大学、公的研究機関をはじめベンチャー企業、民間企業の技術シーズが公開されオープンイノベーションが促進されるきっかけになることを期待している。 ワークショップとして開催する理由は、発表者はもちろん参加者も積極的に質疑応答に加わり紹介された技術シーズを様々な視点で捉え理解を深めその活用を促進することである。従って、質疑応答・意見交換の時間が多く取れるようにしたい。対象とするシーズは、昨年に引き続き本学会の基本である物質生産及びその周辺技術とした。具体的には、宿主/ベクター系、培養法、培地、精製法、装置、分析・解析技術、機器などである。⇒プログラム
 

培養工学におけるモニタリング・解析技術の進歩〈ワークショップ〉 

  • オーガナイザー:石川 陽一(エイブル)、奥村 毅(島津製作所)
            松井 和彦(味の素)、 飯島 信司(名大)

物づくりの生物的プロセスにおいて、計測や制御の重要性は言うまでもない。特に生産性の安定化・向上のみでなく品質管理という面でもその重要性が指摘されている。本ワークショップでは醗酵、動物細胞培養などにおける計測制御の新展開と将来の展望について討論する。⇒プログラム

 

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