圍 彰吾(白鶴酒造株式会社)

2024年11月14日(木)~16日(土)にタイ生物工学会(Thai Society for Biotechnoligy)の年次大会(36th Annual Meeting of the Thai Society for Biotechnology and International Conference; TSB2024)が開催され、日本生物工学会から、基調講演者として中野秀雄教授(国際展開委員会委員長・名古屋大学)、招待講演者として筆者(関西支部・白鶴酒造)が招待された。今大会の主催はモンクット王工科大学ラートクラバン校(King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang)で、会場はアユタヤのクルンスリリバーホテル(Krungsri River Hotel)であった。

初めにコーネル大学のShaoyi Jiang教授から、mRNAワクチンに関する特別講演があった。mRNAの特異的なデリバリー方法について紹介され、ホットな話題なだけに多くの聴講者の関心を集めていた。2つ目の特別講演として中国科学院のBo Yu教授から、微生物の代謝改変によるリーン・マニュファクチャリング1)や有用物質生産など、インパクトのある技術の紹介があった。

その後、基調講演者6名、招待講演者11名、一般講演者約50名による口頭発表が4会場で並行して行われ、他にも100件以上のポスター発表が行われた。中野教授は“Cell-free protein synthesis systems for antibody engineering”、筆者は“Improvement of isobutyl acetate production in sake yeast”というタイトルでそれぞれ講演し、質疑応答の時間以外でも多くの質問やアドバイスを受けた。

今回の派遣を通して、研究背景やその価値のアピールに重点を置き、かつ情熱的なプレゼンテーションを行う講演者が多いことに感銘を受けた。また、世界で活躍する先生方とディスカッションすることができ、筆者にとってかけがえのない経験となった。若手研究者も挑戦を恐れずにこのような国際交流の機会に参加し、大いに刺激を受けるべきだと感じた。

最後に、TSB2024への参加をご支援いただいた日本生物工学会および関西支部、アテンドならびに主催いただいたTSBの大会実行委員会の先生方、そしてこのような派遣の機会をいただき、同行いただいた中野教授に心より感謝申し上げます。
 

左から筆者、中野教授、Chuenchit TSB会長、Prakit TSB副会長

左から筆者、中野教授、Chuenchit TSB会長、Prakit TSB副会長

 

Shaoyi Jiang教授,Bo Yu教授らの授賞式

Shaoyi Jiang教授、Bo Yu教授らの授賞式
(左から2番目がShaoyi Jiang教授、一番右がBo Yu教授)



1)製造プロセス全体において二酸化炭素排出量を削減する方法で製品を製造すること。

 

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