熊田 陽一(京都工芸繊維大学)

2023年11月26日(日)~29日(水)の日程で第35回タイ生物工学会年次大会(Annual Meeting of the Thai Society for Biotechnology and International Conference, TSB2023)がバンコク郊外のKao Yai National ParkにあるThe Greeney Resort Khao Yaiで開催された。本年のメインテーマは“Sustainable Development through Bio-Circular Green (BCG) Economy Model”と題され、サブテーマとして”Industrial Biotechnology”, “Health & Wellness”, “Agricultural and Food Biotechnology”, “General Biotechnology”, “Future Biotechnologist Presentations”が掲げられていた。日本生物工学会(SBJ)はTSBと2023年より学術交流協定を交わしており、SBJからは筆者が招待された。
 

TSB2023 Venue

TSB2023会場の様子

 

Opening ceremonyでは、TSB会長のChuenchit Boonchird教授(Mahidol University)からTSBならびに参加者の発展とSustainable Development Goals(SDGs)へ貢献を願う旨の挨拶があった。Plenary Lectureでは、2018年ノーベル化学賞受賞者のProf. Sir Gregory Winterをはじめ、4名の著名な研究者が講演を行った。

2018年ノーベル化学賞受賞 Gregory Winter博士の基調講演

2018年ノーベル化学賞受賞 Gregory Winter博士のご講演
 

Taguchi Prize1) PresentationではYoung Scientist, Private Sector, Master Degree Thesis, Doctoral Degree Thesisという4つのカテゴリーにおいて次代を担う4名の受賞者が発表され、受賞講演を行った。

Taguchi Prize Awardの様子

Taguchi Prizeの紹介

 

各国からの招待講演者の講演は、各々の講演内容にあったセッションに割り振られる形で講演をし、筆者はGeneral BiotechnologyのセッションにおいてKeynote Lectureを行い、Chuenchit教授とSession Chairも務めさせていただいた。また、各々のセッションの中で活発な質疑応答がなされた。

Keynote講演後にChunchit会長と筆者

講演後に
Chuenchit会長(左)と筆者

 

最後に、TSB2023への参加をご支援いただいた日本生物工学会関西支部、ならびにTSBの大会実行委員の先生方に厚く御礼申し上げます。また、今回このような派遣の機会をいただきました中野秀雄先生(国際展開担当理事)および藤山和仁先生(前国際展開担当理事)に心より御礼申し上げます。



1)田口久治先生(本会第7代会長)のタイにおけるバイオテクノロジーの教育と振興への多大な貢献を記念して創設された賞。1990年よりタイの研究者に授与されている。