科学技術・学術政策研究所では今回ORCIDの事務局長であり、ORCIDの立ち上げから主体的に関わってきたLaure Haak氏の来日に伴い、ORBIT(ORCID活用による研究活動分析の負担軽減と透明性向上プロジェクト)とその周辺の学術情報流通のアップデートに関して議論する機会を設けました。ORBITは、主にファンディング機関を対象にしたイニシアチブですが、エビデンスベースの政策作りや、ネットワーク分析による研究活動の可視化に興味のある皆様にも有意義な話題です。

  • 日時:2017年12月11日(月)15時30分~17時30分
  • 場所:文部科学省16階 科学技術・学術政策研究所会議室 (16B)
     
  • 講師:Laure Haak氏(ORCIDの事務局長)
  • 言語:英語(同時通訳はありません)
     
  • 詳細URL:http://www.nistep.go.jp/archives/35058
     
  • セミナー開催の趣旨:
    科学計量学やエビデンスベースの科学技術・学術政策づくりにおいて、誰が、どの研究費を使い、どのような研究成果生みだし、それがどのようなインパクトをもたらすかを分析することは非常に重要な課題で、ICTの発展によって、様々なデータをひも付けしてネットワーク化することができるようになりました。主に研究論文の名寄せ問題解決を目的として立ち上がった国際研究者識別子ORCIDは、研究者の負担をなるべくかけずにその貢献が蓄積できる仕組みを他の関係機関と共に開発しており、当研究所のSTI Horizon誌でもその可能性を兆しとして報告しています。(http://dx.doi.org/10.15108/stih.00014

<ORBIT(ORCID to Reduce Burden and Improve Transparency)プロジェクトとは>

ORBITプロジェクトの要点は以下のとおりです。

  1. ORBITプロジェクトでは、永続的な識別子(PID)を組み合わせて使用することで、システム間の研究情報の流れを自動化し簡素化できます。
  2. ORCID iDやデジタルオブジェクト識別子(DOI)などの永続的な識別子が、異なるシステムが研究情報を共有できるようにするキーとして機能します。この機能を実現するには、研究コミュニティの各部門(出版社、大学、資金提供者、研究者)がデータを共有するための識別子を同じ枠組みの中で使用する必要があります。 ORBITは、研究助成団体を中心とした資金配分のデータシステムで識別子の実用的な使用法を開発し、テストするイニシアチブです。
  3. ORBITは資金提供者のコミュニティを対象としており、2つの要素から構成されています。すなわち、①資金提供者のネットワークと②実装検討(パイロット)プロジェクトです。

<講師略歴>
Laure Haak氏はORCIDの事務局長としてその立ち上げから活動を先導。前職は、Discovery Logic社の主任科学幹部(Chief Science Officer)で、米国国立科学アカデミー科学技術工学委員会のプログラム責任者やアメリカ科学振興協会のScience誌のNext Wave Postdoc Networkの編集者を歴任。スタンフォード大学で生物学の修士を獲得後、同大学の医学部で1997年に脳科学の博士号を取得。彼女は米国国立衛生研究所(NIH)のポスドクも経験。
 

  • 参加申込み・問い合わせ先:
    科学技術・学術政策研究所 科学技術予測センター (担当:林)
    Tel:03-3581-0605
    E-mail:
     
  • 申込み締切り:2017年12月6日(木)