大会実行委員長 大竹 久夫

日本生物工学会創立90周年記念式典と第64回大会は、2012年10月23日~26日までの4日間の日程で、神戸国際会議場で開催されました。初日の23日は、記念式典、受賞講演および特別記念講演がメインホールで行われ、夕方6時から記念祝賀会が神戸ポートピアホテルの大輪田の間で開催されました。記念祝賀会には、来賓として井戸敏三兵庫県知事および矢田立郎神戸市長にご臨席を賜り祝辞を頂戴しました。  

日本生物工学会創立90周年記念大会となった第64回大会は、10月24日~26日の朝9時から夕方7時まで開催され、723件の一般講演、97件のシンポジウム講演および49件の国際シンポジウム講演が行われ、3日間で約2100名の参加者がありました。また、6件のランチョンセミナー、39件の企業等展示、本部企画によるプロジェクト・バイオ展示、全国酒自慢90、歴代会長のメッセージや年表の特別展示などが行われました。講演数および参加者数ともに過去最高を記録し、大会は大成功のうちに無事終了いたしました。大会実行委員会を代表致しまして、大会を盛り上げて頂きました会員の皆様、展示やランチョンセミナーにご協力を頂きました企業の皆様、祝賀会、展示会や若手交流会に多くの飲み物をご提供頂きました団体および企業の皆様、運営にご尽力頂きました学会事務局および大会実行員会の皆様に、御礼を申し上げます。また、大会開催にあたりご支援を頂きました科学技術振興機構、神戸国際観光コンベンション協会、中内力コンベンション振興財団、財団法人発酵研究所およびサントリー生命科学財団の皆様に、厚く御礼を申し上げます。

 

授賞式にて 後列向かって左から、津川、下飯、山口、諸星、浦野、仲山、佐藤、セーボレー、佐々木、仲嶋、小寺、 前列向かって左から、関口、横田、広常、渡辺、大河内、熊田、小路、Jingchun Tang(敬称略)

<授賞式にて> 
後列向かって左から、津川、下飯、山口、諸星、浦野、仲山、佐藤、セーボレー、佐々木、仲嶋、小寺、
前列向かって左から、関口、横田、広常、渡辺、大河内、熊田、小路、Jingchun Tang(敬称略)

 

顧問・名誉会員・功労会員への推戴  後列向かって左から、山縣、加藤、菅、高野、蓼沼、田中、冨田、長谷川、室岡、山根、 前列向かって左から、小林、吉田、塩谷、奥村、安部、荒井、石崎、岡部(敬称略)

<顧問・名誉会員・功労会員への推戴> 
後列向かって左から、山縣、加藤、菅、高野、蓼沼、田中、冨田、長谷川、室岡、山根、
前列向かって左から、小林、吉田、塩谷、奥村、安部、荒井、石崎、岡部(敬称略)

 

今大会は、「学から産へ」「シニアから若手へ」「日本から世界へ」および「頑張ろうニッポン」を大会開催の基本コンセプトとして開催されました。「学から産へ」につきましては、本部企画シンポジウム「醸造における品質へのこだわりとその製造技術」「産学の研究・開発の現状と連携、学生への期待について」および「培養とそのダウンストリームプロセスの最前線」が開催されました。「シニアから若手へ」では、上記の学生への期待に関する本部企画シンポジウムに加えて、できるだけ多くの大学院生を含む若手研究者に口頭発表の機会を保証するため、一般講演の時間を午前9時から夕方7時まで確保することに致しました。その結果、一般講演として725件(2件は取り下げ)の口頭発表を受け付けることができました。座長をお引受け頂きました先生方を始め、発表者の皆様のご協力に感謝申し上げます。  

「日本から世界へ」につきましては、今回とくに力を入れて取組みました。大会実行委員会では当初より、全シンポジウムの3分の1を国際シンポジウムとして、英語のみによる講演と討議を行うことを決めておりましたが、幸い科学技術振興機構(JST:理事長 中村道治様)の御厚意により、国際シンポジウム「Biotechnology for Green Growth」を共同で開催することができました。開催に御支援を賜りました東京農工大学学長で、JST「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」研究領域の研究総括でもある松永是先生および同研究領域のCREST、さきがけ研究者、領域関係者の皆様には、御礼を申し上げます。  

エルゼビア Anders Karlsson氏

<エルゼビア> Anders Karlsson氏

特別記念講演会場にて

<特別記念講演会場にて>

元タイ生物工学会会長 Pornchai Matangkasombut氏

<元タイ生物工学会会長>
Pornchai Matangkasombut氏

記念祝賀会・鏡割り

記念祝賀会・鏡割り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本国際シンポジウムでは、微細藻類による燃料生産などの最新のトピックスについて、国内外トップクラスの研究者による講演が行われ、約570名の参加者が連日熱心な討論を行いました。国際シンポジウムの他にも、発酵研究所より海外招聘助成のご支援を賜り、アジア諸国から微生物系統分類学や微生物生態学を専門とする17名の招待講演者をお招きして、4つの招待講演セッションにおいて講演が行われました。ご支援を賜りました発酵研究所理事長の波多野和徳様には、厚く御礼を申し上げます。国際シンポジウムでの招待講演者に加えて、発酵研究所海外招聘助成による招聘者を含め、海外からの講演者数は46名にも上りました。また、大会実行委員会が組織された今年3月は、東北大震災から丁度1年となる時期でもあり、「頑張ろうニッポン」の呼び掛けのもとに、本部企画による地域連携シンポジウム「持続可能なまちづくりを目指すバイオマスタウン構想」が開催され、地域産業の活性化をめざした活発な 討論が行われました。  

国際シンポジウム 講演会場にて

<国際シンポジウム講演会場にて>

一般講演会場にて

<一般講演会場にて>

展示会場にて

<展示会場にて>

特別展示場にて

<特別展示会場にて>

 

 

 

企業展示につきましては、大会期間中に休み時間が少ないことから、展示会場が閑散とするのではないかと、開催前には危惧を致しました。しかし、展示会場への入口が大会受け付けのすぐ近くに設けられたことや、本部企画および国際シンポジウムが開催された会場に隣接していたこともあり、展示会場には常に大勢の人々が足を運んでおられました。また、本部展示にも多くの参加者が集まり、学会の歴史や発酵産業分野における技術開発の成果を、興味深 く見つめていました。ランチョンセミナーも大変好評で、いずれの会場も満席で時間通りに開催することができました。午前中のセッションの座長の先生方におかれましては、講演が昼休みに食い込むことのないよう進行にご協力を頂きましたことに、御礼を申し上げます。  

今回の大会は、日本生物工学会創立90周年の記念大会として開催致しましたので、過去最大規模の大会となりましたが、その反面一部の講演会場が狭過ぎ参加者が会場から溢れるなど、心ならずも皆さまにご迷惑をおかけしてしまいました。また、予想をはるかに越える大会参加者があったため、大会2日目には講演要旨集を追加印刷したり、一般講演の中から最先端の研究例として選んだ24題を紹介した「トピックス集」も好評で早々に配布が終了してしまうなど、予期せぬ事態も起こりました(トピックス要旨のPDFはホームページで公開しています)。しかし、大会実行委員の皆さまの機敏な対応により、大会は大過なく終えることができました。繰り返しになりますが、原島俊大会会長、田谷正仁、福崎英一郎両実行副委員長をはじめ大会の運営にご尽力頂きました総ての皆様に、心から御礼を申し上げます。