小西 正朗
2021年度生物工学奨励賞(照井賞)受賞者
北見工業大学工学部

2021年10月6日~8日にかけて大韓民国慶州市の慶州ファベクコンベンションセンター(慶州HICO)において韓国生物工学会(Korean Society of Bioengineering:KSBB)の2021年秋季大会(2021 KSBB Fall Meeting and International Symposium)が開催された。例年、生物工学会(The Society for Biotechnology, Japan:SBJ)から当該年度の学会賞各賞の受賞者が招待され、活発な研究交流が行われている。昨年度から続いているコロナ禍の影響があり、本年度は、竹山春子先生(生物工学功績賞・早大)、金井宗良先生(江田賞・酒類総研)と筆者(照井賞・北見工大)が招待され、オンラインで講演した。

慶州市は慶尚北道の南東に位置する新羅の古都であり、多くの伝統文化遺産の宝庫であり、世界的な歴史文化都市である。慶州市はハイテク科学都市としての一面も持ち、慶州HICOは世界的なコンベンションを誘致するために、2015年にオープンした韓国国内でも比較的新しいコンベンションセンターのようである。コロナ禍でなければ、現地で韓国の先生方と交流ができ、さまざまな経験ができたであろうと考えると残念でならない。

筆者は、11月8日に開催された[S-7] AI-assisted Bioprocess Developmentのセッションで発表することになり、発表4日前に発表セッションと開会式のzoomリンクが送られてきた。直前の連絡から、現地の実行委員の先生方の苦労が垣間見えた気がした。開会式では、生物工学会からは福﨑会長がオンラインでご挨拶された。セッションでは最初に金井先生が「清酒酵母の機能性成分の蓄積機構と応用」についてご講演され、それに続いて、KAISTのHyun Uk Kim先生が「Characterization and Engineering of Microbial Metabolism Using Deep Leaning」というタイトルで独自の深層学習を用いた微生物代謝解析についてご講演された。次に筆者が「機械学習を用いた培地の解析と設計」に関して講演し、最後にKorea Institute of Industrial TechnologyのJunghwan Kim博士が「機械学習を用いた化学プロセスのモデリング」についてご講演された。これらの発表に対して活発な議論が行われ、韓国においても、人工知能を含めたデジタル技術(DX)のバイオプロセスや物質生産への応用研究に注目が集まっていることを感じることができた。

コロナ禍の非日常の中、KSBB秋季大会への参加を支援いただいたKSBB会長Choul-Gyun Lee先生、ハイブリット方式の大会を企画いただいた大会実行委員の先生方、学術交流を支援いただいた藤山和仁先生(国際展開担当理事)ならびに生物工学会事務局の方々、現地写真を提供いただいたKSBB事務局Kho様、関係者各位に厚く御礼申し上げます。

対面での国際交流が早く再開できる状況になることを切に願います。

KSBB2021秋季大会開会式:オンラインで挨拶をされる福﨑会長

開会式:オンラインで挨拶をされる福﨑会長
(KSBB事務局Khoさん撮影)

KSBB2021秋季大会 シンポジウム会場の様子

シンポジウム会場の様子、通常の半分の
定員のようだが、ほぼ満席のようだ
(KSBB事務局Khoさん撮影)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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