【国際交流】2018年 KSBB秋季大会に参加して
加藤 竜司
2017年度生物工学奨励賞(照井賞)受賞者
名古屋大学大学院創薬科学研究科
2018年10月10日~12日にかけて韓国ソウル特別市広津区・世宗(Sejong)大学Convention Centerにおいて韓国生物工学会(Korean Society of Biotechnology and Bioengineering; KSBB)の2018年秋季大会(2018 KSBB International Academia-Industry Joint Meeting)が開催された。日本生物工学会(The Society for Biotechnology, Japan; SBJ)からは、2017年度生物工学奨励賞(照井賞)受賞者である筆者が学会参加および招待講演を行った。
世宗大学正面入り口
会場となった世宗(Sejong)大学は、キリスト教系の1940年創立の私大で、ソウル特別市を横切って流れる漢江の北岸に位置する。漢江南側の清潭(Cheongdam)駅から地下鉄に乗ると、地下鉄はすぐに地上へと出て漢江を渡るが、そこには川を挟みソウル郊外を一望する景色が広がっていた。川沿いからソウルの中心まで最先端のビルやマンションがそびえ立つ様子や、公園やリゾート的な施設が整備されている風景は、ソウル特別市の繁栄を強く感じるものであった。
筆者が参画したKSBBの秋季プログラムは、国先的なジョイントミーティングと位置付けられており、連日朝9時~18時半まで5会場・1展示会場で、広いバイオテクノロジーをカバーした最新研究発表が行われていた。Plenary 3、口演発表150、学生発表53、ポスター約300が開催され、会はとても盛況であった。今回、団長としてご参加されたSBJ副会長・高木昌宏先生も招待講演を行われていた。筆者が参加したJeong-Woo Choi先生(Sogang大学)のシンポジウムでは、ナノバイオテクノロジーとセルエンジニアリングにおける先端技術の紹介がなされた。全体を通じ、強く感じたことは、韓国の若手の研究者が、きわめて英語が流暢なことである。帰国子女レベルのスピードで英語を操る若手研究者達は、美的に優れたイラストレーションを活用した発表に秀でており、国際的な場での発表にとても慣れていることを感じた。
初日の夜には、シンポジウム企画のJeong-Woo Choi先生が昼食・夕食共に懇親会を開催してくださり、近い分野の講演者全員と近く親交を持つことができたのは素晴らしい経験であった。2日目の夜には、Banquetとその後の懇親会で、KSBB会長Si Wouk Kim先生をはじめとした多くの先生方がSBJのメンバーを温かく迎えてくださり、お酒を介した心の交流をさせていただくことができたことは何ものにも代えがたい経験であった。これはKSBBとSBJが長い交流の中で素晴らしい関係を築いてきた歴史であり、SBJにとって国際的な信頼関係という財産となっているのだということに感動を覚えた。筆者としても今後のKSBBとSBJの更なる交流に貢献したいと強く感じるに至った。
末筆ながら、今回のKSBB訪問をご支援いただきましたKSBB会長Si Wouk Kim先生、会期中大変温かくお世話を頂きましたJeong-Woo Choi先生、Jinha Choi先生、Jong Wook Hong(KSBB国際推進担当)に厚く御礼申し上げます。また、本派遣の機会をご支援いただきました日本生物工学会および国際展開委員長の跡見晴幸先生、諸手続きを面倒見ていただいた事務局の皆様に心より御礼申し上げます。
左から、Prof. Jeong-Woo Choi、Prof. Eock-Kee Hong、Prof. Joong Kon Park、
Prof. Tai Hyun Park、黒田章夫先生、Prof. Si Wouk Kim(現KSBB会長)、
高木昌宏副会長、筆者、Prof. Heichan Lee(次期KSBB会長)、Prof. Jong Wook Hong
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