古賀 雄一
2017年度生物工学奨励賞(斎藤賞)受賞者
大阪大学大学院工学研究科

2018年4月19日・20日に韓国南岸の麗水(ヨス)市で開催された韓国生物工学会(Korean Society of Biotechnology and Bioengineering; KSBB)の2018年春季大会(2018 KSBB Spring Meeting)に、日本生物工学会(The Society for Biotechnology, Japan; SBJ)から昨年度「生物工学功績賞」の高木博史先生(奈良先端大)と「生物工学奨励賞(斎藤賞)」の筆者2名が派遣され、招待講演を行った。

2018KSBB春季大会会場T he Ocean Resort(麗水市)の前で

KSBB春季大会が開催された会場にて
高木博史先生(左)、筆者(右)

 

麗水市は2012年のExpo開催で再開発されてから、近年人気の海辺のリゾート地でソウルから韓国高速鉄道(KTX)で3時間の場所にある。300もの小島が見渡せる瀬戸内海のような景色の良いところである。今年のKSBB Spring Meetingは麗水市中心から車で5分ほどの小高い丘にあるリゾートホテル(The Ocean Resort, Yeosu)で開催された。KSBBからSeung Pil Pack教授が最寄り駅(麗川駅)まで出迎えてくださり、会場には迷うことなく到着することができた。

KSBB Spring Meetingは例年3日間のプログラムで行われていたが、KSBBの方針によって今年から1日半のプログラムになった。2題の全体講演と20件の口頭発表セッション、1,046題のポスター発表がそれぞれ行われた。大会全体の参加者は約1,100名で、うち6–7割は学生であった.学生による口頭発表セッションもあり,活気のある雰囲気であった。口頭発表セッションの内の4セッションが国際シンポジウムになっており、それぞれタンパク質工学、代謝工学、医用工学、海洋資源工学がテーマとなっていた。高木先生は代謝工学・合成生物学関連のセッションで基調講演を、筆者はタンパク質工学関連のセッションにてSBJ招待講演をそれぞれ行った。筆者らの他にも、日本人では京都府立医科大学の酒井晃二先生が招待講演をされていた。国際シンポジウムではどの演者も非常に興味深い話をされ、150席ほどの会場は盛況であった。他にも、医用バイオ、バイオエネルギー、ナノバイオ、微生物による物質生産などのテーマが設定され、約60件の口頭発表が行われた。

1日目の夜にレセプションが行われ、高木先生が開発された泡盛も振る舞いながらKSBB会長をはじめ運営サイドの先生方と交流する機会を得た。今回は短期開催ということもあり、ビジネスミーティングは設定されていなかったが、KSBBの動向や今後のSBJとの交流について、和やかな雰囲気の中でお話を伺うことができた。KSBBの多くの先生方が、SBJの発展に貢献された、またはご活躍中の先生方をよくご存知で、SBJとKSBBの交流における長い歴史と活発な活動を実感することができた。レセプション後は、学会関係者との二次会にお誘いいただき、若手やシニアの教員とお酒を酌み交わしながら、日韓の研究環境について情報交換を行うとともに、KSBB会長をはじめ何名かの先生と9月のSBJ年次大会での再会を約束した。

末筆ながら、KSBB会長Si Wouk Kim先生(Chosun University)、会期中我々を温かくお世話いただいたSeung Pil Pack先生(Korean University)、Jong-In Won教授(Hongik University)、Hye Won Kho氏(KSBB事務局)に厚く御礼申し上げます。また、本派遣の機会をいただきましたSBJ国際展開委員長の跡見晴幸先生、諸手続きを行っていただいた事務局をはじめ、SBJの先生方に心より御礼申し上げます。

KSBB2018 春季大会 レセプション会場にて

レセプション会場にて
左から、筆者、高木博史先生、Prof. Si Wouk Kim(KSBB会長,Chosun Univ.)
Dr. Myung-Jun Chung(KSBB副会長,Cell Biotech Co., Ltd. のCOE)
Prof. Tai Hyun Park(Seoul Nat’l Univ.)
Prof. Sick Lee(Chonnam Nat’l Univ. 副学長)
Prof. Jong Deog Kim(Chonnam Nat’l Univ.)
Prof. Byung-Gee Kim(Seoul Nat’l Univ.)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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