河原 正浩
2016年度生物工学奨励賞(照井賞)受賞者
東京大学大学院工学系研究科

韓国生物工学会(The Korean Society for Biotechnology and Bioengineering: KSBB)は春季・秋季の年2回、大会を開催している。今年も昨年に引き続き、日本生物工学会(The Society for Biotechnology, Japan: SBJ)からのInvited Speakerとして私を含め3名がKSBB春季大会に派遣され、招待講演を行った。

今年のKSBB春季大会は4月5日(水)~4月7日(金)の会期で、昨年と同じ慶州(Gyeongju)のHwabaek International Convention Center(HICO)で開催された。慶州はその昔、新羅王朝があった古都であり、釜山から約80 km程度北にある観光都市である。現地ではこの時期ちょうど桜が満開となっており、日本に勝るとも劣らない花見を堪能できた。週末には多くの観光客が押し寄せ、桜並木のある道路は大変な渋滞になると伺った。

大会のプログラムは実質2日間で、3つのPlenary Lecture、9つの国際シンポジウム、10の韓国語でのシンポジウム、8つの部会・学生口頭セッション、およびポスターセッションで主に構成されていた。口頭発表は計171件、ポスター発表は計345件、参加者は計約1200名とのことであった。

講演会場の様子

講演会場の様子

日本からは、長棟輝行先生(東京大学)がPlenary Speakerとして、蒲池利章先生(東京工業大学)がKeynote Speakerとして招待講演をされた。SBJからは、功績賞の本多裕之先生(名古屋大学)、斎藤賞の松浦友亮先生(大阪大学)、照井賞の筆者(東京大学)がSBJ Invited Speakerとして講演した。大会プログラム内訳から分かるように、シンポジウムの約半数は英語のセッションであり、またBiochemical Engineering Society of Taiwan(BEST)とのJoint Symposiumも近年開催されるようになっており、国際化・国際交流に熱心に取り組まれていることが感じられた。

交流に関しては、大会プログラム開始前の4月6日の早朝に学会会場向かいのHiltonホテルのレストランの一室にて、KSBBとSBJのBoard Meetingが開催された。KSBB会長や国際交流担当の先生方と、今後の交流も含め様々な話題で盛り上がり、和気藹々とした朝食会であった。また、同日夜のReceptionでは、Invited Speaker全員の名前を読み上げて紹介してくださり、韓国料理を食べながら楽しく交流することができた。さらには、終了後の2次会は夜景がきれいに見えるホテル上層階で開催され、色とりどりにライトアップされた桜を見下ろしながら、日韓の研究環境や文化の相違など、ざっくばらんな話題で盛り上がった。総じて韓国の先生方は日本について多くの知識を持ち、片言の日本語も身に着けておられる方が多く、非常に嬉しく感じた。自分も韓国に関する知識をもっと持ち、今後も何らかの形で交流を続けていけたら、と思った。

最後に、現地にてお世話になりましたKSBB会長のJeong-Woo Choi先生(Sogang University)、Dong-Myung Kim先生(Chungnam National University)をはじめとする諸先生方、特に学会期間中に私共SBJ Invited Speakerの実質的なお世話を頂きましたJong Wook Hong先生(Hanyang University)とDonghyun Lee先生(Chung-Ang University)、ならびに事務手続き等で細やかなご対応を頂きましたKSBB事務局のHyewon Kho様に深く御礼申し上げます。また、本大会への参加の機会を頂き、サポートして頂きましたSBJの先生方と事務局の方に心より御礼申し上げます。

Board meetingでの記念撮影

Board Meetingにて撮影
前列左から、長棟輝行先生(東京大学)、Jeong-Woo Choi先生(Sogang University)、
Jong Wook Hong先生(Hanyang University)、
後列左からDonghyun Lee先生(Chung-Ang University)、筆者、
本多裕之先生(名古屋大学)、Dong-Myung Kim先生(Chungnam National University)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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