【本部だより】2015 KSBB春季大会に参加して
生物工学会誌第93巻6号掲載
磯谷 敦子
韓国生物工学会(KSBB: The Korean Society for Biotechnology and Bioengineering)と日本生物工学会は学術交流を行っており、その一環として今回筆者はKSBB春季大会に参加する貴重な機会を与えていただいた。実は筆者が出発する2日前に広島空港で事故があり、参加を断念しかけたが、なんとか前日夜に振替便を手配することができた。韓国、日本双方の事務局の方には大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
海を隔てての会場
今年のKSBB春季大会は4月15日(水)から17日(金)まで、ヨス(麗水)市のYeosu EXPOで行われた。ヨスは韓国南部の麗水半島に位置し、海の美しい港町である。ソウルから直線距離で約300 kmあるが、KTX(韓国の新幹線)に乗れば約3時間で到着できる。文禄の役ではこの地で豊臣軍を迎え撃ったとのことで、その際使ったとされる亀甲船のオブジェがヨス駅に飾られている。2012年には国際博覧会が開催され、今回の学会はその会場で行われた。
KSBB春季大会は、3件のPlenary lecture、シンポジウムや一般講演を含む141件の口頭発表、20件のポスターショートプレゼン、386件のポスター発表、およびランチョンセミナーが実施された。参加者は、3日間で1541名とのことであった。学会の発表内容は、細胞工学、バイオマテリアル、バイオエネルギー、環境工学など多様であったが、今回はMarine biotechnologyに関するシンポジウムが重点的に組まれていた。日本からも複数の参加者があり、Plenarylecture では東大・片岡一則先生が講演され、International program では早稲田大・竹山春子先生、製品評価技術基盤機構・紙野圭先生、信州大・大川浩作先生が講演された。本学会からは、広島大・加藤純一先生(功績賞)がMicrobial engineering/Enzyme and protein engineering セッション、神戸大・蓮沼誠久先生(奨励賞(斎藤賞))がMetabolic engineering and Synthetic biotechnologyセッション、筆者(奨励賞(江田賞))がFood biotechnologydivision / Bioenergy and environmental biotechnologyセッションにてそれぞれ講演を行った。また、日本以外にアメリカや中国からの参加者もおられた。
KSBB会長はじめ運営の先生方、事務局の方には大変温かく歓迎していただくともに、細やかな心遣いをいただいた。大会の懇親会では、歴代会長と記念撮影をしていただいた。懇親会後には2次会をセッティングして、韓国、日本、中国の先生方との交流の場を設けていただいた。筆者は飛行機が遅れたため懇親会に参加できなかったが、遅くに到着した筆者を気遣い、2次会のためわざわざホテルまで迎えにきてくださった。研究からお酒の飲み方までいろいろな話をできたのは楽しかった。しかしもっと英語を勉強しなければ、と反省もさせられた…
最後に、お世話になったKSBBの先生方や事務局の方々、貴重な機会を与えてくださった本学会の先生方や事務局の方に心より御礼申し上げます。また、多忙な時期に快く送り出してくれた上司、同僚に感謝いたします。
懇親会にて歴代会長との記念撮影
左から、Prof. Jeong-Woo Choi、Prof.Seung Wook Kim、Prof. Young Je Yoo
Prof. Eock-Kee Hong (現会長)、加藤純一先生、Prof. Don-Hee Park
蓮沼誠久先生、Prof. Tai Hyun Park (次期会長)