日本生物工学会第18回生物工学懇話会のプログラム詳細が決まりました。今回の懇話会では、2012年度斎藤賞・飛翔賞を受賞者によるパネルディスカッションを通して50年後の生物工学について考えます。また、幕末の会津と薩摩出身者の人間関係とその背景にあった酒文化を探る興味深い講演もありますので是非ご参加ください。

日時 2013年5月24日(金)14時30分~17時30分
場所 千里ライフサイエンスセンタービル 801・802号室
参加費 無料

プログラム

(司会:大政 健史)

  • 14:30~14:40
    開会の挨拶………………原島 俊
     
  • 14:40~15:30
    「生物工学と私の夢について」 ……大河内 美奈(名古屋大学大学院・准教授)

学生時代よりバイオセンサや微生物の電気化学的制御に関する研究を行い、現在は医用デバイスの開発に関する研究を進めている。最先端・次世代研究開発支援プログラムでは、患者数が近年増加している食物アレルギーに注目し、抗原タンパク質のアミノ酸配列を配置したペプチドアレイを作製することにより抗体エピトープに関する詳細な解析を行い、病態モニタリングシステムの開発を進めている。生物工学を基礎として問題発見解決型の研究を進め、環境や医療分野におけるバイオセンシング技術の研究開発に貢献したい。
(座長:貝沼 章子)

  • 15:30~16:20
    「パネルディスカッション:若手学生を交えて50年後の生物工学について」

<飛翔賞受賞者>
佐藤 康史(北海道大学大学院)
佐々木 寛人(名古屋大学大学院)
仲嶋 翼(大阪大学大学院)
小寺 星(広島大学大学院)

日本生物工学会では、創立90周年記念事業の一環として、博士課程に進学する21世紀を担う優れた研究業績を挙げることを期待されている若手学生会員に生物工学学生優秀賞(飛翔賞)を授与している。本講演では、記念すべき第一回の受賞者4名に、50年後の生物工学について、それぞれの未来の夢や期待する事柄を語って頂き、さらに学会執行部と受賞者 を交えて生物工学の今後の50年の発展や人類社会への貢献について討議する。(座長:大政 健史)

 

  • 16:20~16:35 休 憩
     
  • 16:35~17:25
    「幕末の薩摩と会津~酒文化の比較」 原口 泉(志學館大学人間関係学部・教授)

会津と薩摩は日本酒と焼酎の名産地である。歴史的に両地は戊辰戦争と薩英戦争で激しく戦った。今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」は東北支援もあって好評の内に始まった。主人公の新島八重とその兄山本覚馬と薩摩とは意外な関係がある。覚馬は江戸で修業中、薩摩藩主島津斉彬のもとに居候していた坪井芳洲の医学塾日習堂で学んでいる。芳洲は斉彬の侍医となり鹿児島で斉彬を看取った医者である。また覚馬は禁門の変では薩摩の家老小松帯刀と共に朝廷を守った旧知の間柄。薩長同盟後、形勢逆転、鳥羽伏見の戦いで捕虜となった覚馬は薩摩藩邸で手厚く遇された。そして覚馬は京都府の顧問に取り立てられ、八重と母、姪も京都に移住した。

八重は京都で新島襄と出会い結婚、同志社英学校も開校した。覚馬は京都を近代化した功労者であるが、琵琶湖疏水を完成させ京都の近代化を成就したのは、西郷隆盛の長男菊次郎。菊次郎は第2代の京都市長であった。また鹿鳴館の花と言われた大山捨松は会津鶴ヶ城砲撃を指揮した薩摩の大山巌の後妻である。捨松の兄は会津藩家老、次兄健次郎は白虎隊士(若すぎて外された。のち東大と京大の総長)。八重の6歳下の幼馴染、日向ユキは維新後北海道でもと薩摩藩士内藤兼備の妻となった。このような両者の縁が生まれたのは何故なのか?考えてみたい。
(座長:坂口 正明)

 

  • 17:25~17:30
    閉会の挨拶………………水光 正仁

 

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