北日本支部会員から届いた被災状況の報告をお知らせいたします。

東北大学農学部(2) 

五味 勝也
2011年3月26日 

農学部は建物等の崩壊などの多大な被害はありませんでしたが、壁の落下、廊下の陥没、エレベーターの斜傾などの被害がありました。農学部は青葉山移転が決まっていますが、移転が延び延びになっていつになるのか分からないこともあり、耐震強度の低い本館については昨年耐震補強工事を行ったばかりでした。その工事のおかげもあり、倒壊を免れたのではないかと思います。

建物の中におられた先生方は倒壊の恐れを感じていたようですが、耐震工事がなされていたのは本当に幸いだったと思います。機器類についてはそれぞれの研究室ごとにいろいろな不具合が生じていると思われます。特に、高い階にある研究室では多くの物品が棚や机から落ちて被害が大きくなりました。

電源も15日には復旧しましたが、4、5日停電していたために、フリーザーなどにストックしてあった保存菌株や試薬類のダメージがあるかも知れません。ただ、学生が調べたところでは、大腸菌やカビの保存菌株は何とか生えてきたようです。現在はガス以外の電気と水道は復旧しています。また、ガスの復旧には1ヶ月以上かかるとのことでしたが、新潟から引いているパイプラインに被害がなかったことから、このラインを使って早急に復旧が進められるとのことなので、予想よりも早くガスも復旧するものと期待しています。

農学部では、残念なことに学生1名が津波被害で亡くなりましたが、そのほかの学生・教職員の無事が確認されています。なお、生物工学会関係ではありませんが、農学部には水産系の附属フィールドセンターが女川にあるのですが、この施設は女川湾に面しているため、津波により2階建ての研究施設および宿舎が水没し、内部はほぼ全壊しましたが、教職員・学生は皆避難して無事とのことでした。

大学は新学期の講義開始が5月の連休明けとなりそうなので、それまでは研究室の立て直しに専念することになります。また、大津波等の甚大な被害を受けた沿岸部の方々のことを思うと、本当に心が痛みます。
生物工学や農芸化学の領域でも東北地域の復興に力を注ぐことができるはずですので、そのために尽力することができればと思っています。

なお、生物工学会の会員、特に醸造関係の企業などの被害状況についてはまだ十分な情報を得ておりません。分かり次第ご連絡いたします。


東北大学工学部

中山 亨 
報告日 2011年3月25日、4月1日

工学部で生物工学会に関係するのは化学・バイオ系三専攻と環境科学研究科と土木工学専攻が主体となりますが、いずれについても安否確認はとれつつあり、会員で死傷者・行方不明者はでておりません。(追記:3月30日に工学部・工学研究科の全学生・教職員の安全が確認されました)。

工学部の建物がある青葉山キャンパスは東北大学の中でも建物の被害が大きいとのことでした。特に建築・土木系の建物は甚大な損傷を受け、使用禁止・入棟禁止となりました。しかしながら、化学・バイオ系と環境科学研究科の建物は倒壊の難を逃れており、安全です。青葉山キャンパスには一部通電が開始されておりますが、山の上ということもあり、上水道とガスの復旧にはまだ時間を要するとも見込まれております。水が使えないため、薬品の除染などができない状態です(追記:水道は3月31日に開通しました)。

工学研究科では宮城沖地震に備えて室内の装置や什器などの転倒防止策など地震対策に力を入れてきたのですが、それでも多くの研究室で高価な実験装置が損傷を受けました。地震後、数日間にわたって停電が続き、貴重な凍結サンプルが失われたのではないかと覚悟しております。ライフライン・ガソリン供給・公共交通機関の運行が十分に回復するまで、学生は可能な限り帰省させています。
 

山形大学農学部 

小関 卓也 
報告日 2011年3月25日

農学部のある鶴岡市は大きな被害はなく、停電もありませんでした。施設も大きな被害はなかったと聞いております。
なお、山形市のキャンパスや米沢市の工学部キャンパスは被害があるかもしれません。

 

東北大学農学部(1)

米山 裕 
報告日 2011年3月24日

今回の震災では当分野の学生および職員は全員無事です。ただ、建物自体は倒壊を免れましたが、研究室の中は様々な物品が棚より落ち、大きな被害となりました。

皆様の多大なる努力の結果、ガス以外のライフラインも復興しました。
今後の研究室の立て直しにはしばらく時間がかかるとは思いますが、大津波等の甚大な被害を受けた方々のことを思うと、本当に心が痛みます。

東北地域の早急なる復興を願うのみです。

 

岩手大学農学部

礒部 公安
報告日 2011年3月23日

盛岡も非常に強い地震が長く続き、大きな余震が頻繁に起きましたが、盛岡は内陸なので津波の影響はなく、岩手大学農学部の停電と断水は12日夕方に復旧し、ガスも14日に回復しました。農学部の建物に崩壊などの大きな被害はありませんでしたが、一部の建物にはひびが入りました。

また農学部の学生は全員無事でしたが、家族を亡くした学生、実家を失った学生、内定取り消しになった学生がいます。被害の影響は次第に大きくなるように感じられます。

東北新幹線は盛岡~那須塩原間の復旧の見込みが立たないようですが、高速バスは少しずつ運行を始めています。また花巻空港からは関西、羽田、札幌に飛行機が数便運航されるようになりました。

しかし、交通網の影響があり、後期の個別試験、卒業式、入学式を中止し、新学期の講義は5月9日から開始になりました。今日も余震が続いていまして、いつも体が揺れているように感じます。

 

東北学院大学工学部

遠藤 銀朗 
報告日 2011年3月22日

こちらの学部は、津波の被災はなく地震による建物の損壊がありましたが、私も研究室のスタッフも無事でした。研究活動がいつ再開できるかは、建物や装置類の被災状況によりますので、現在その調査を行っているところです。

ただ、キャンパスが津波被害者の避難所になっておりますために、被災者の皆さんの支援活動も行っている状態です。学生の安否確認も進めておりますが、悲惨な状況です。他の支部会員からは現在のところ死亡した方がいる等の連絡はうけておりません。被害がなかったというものばかりでした。

  

弘前大学 農学生命科学部

柏木 明子 
報告日 2011年3月22日

会員及び研究施設の被害は、停電以外はありませんでした。
地震による停電が30時間程度あった関係上、細胞、試薬類がダメになった研究室があるそうです。

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