【本部だより】2014 KSBB春季大会に参加して
生物工学会誌92巻5号掲載
福田 淳二
韓国生物工学会(KSBB: The Korean Society for Biotechnology and Bioengineering)と日本生物工学会は、15年ほど前からそれぞれの年次大会に講演者などを招待・派遣し交流している。昨年までは、KSBB秋季大会に日本生物工学会学会賞受賞者が派遣されてきたが、双方の学会長、副会長の協議により、今回から春季大会への派遣に変更し、より派遣者の研究分野にフィットしたセッションで講演できるよう配慮された。今回筆者は、この記念すべきKSBB春季大会に参加する機会を頂いたので、その概要を報告する。
KSBBが開催された
慶州市Hyundaiホテルと桜
2014 KSBB春季大会は、4月9日-11日に韓国の慶州市にあるHyundaiホテルで開催された。慶州は、釜山の金海国際空港から高速バスで1時間のところ にある。かつて新羅王国が栄えた地で、石窟庵・仏国寺などの世界遺産に登録された歴史的な建造物が立ち並ぶ歴史文化都市である。桜の名所としても知られて いるそうで、20万本とも言われる桜が咲き誇っていた(大会の数日前には慶州さくらマラソンが実施されたそうで、筆者も次回は参加することを誓いまし た)。
満員のplenary lecture会場の様子
KSBB春季大会は、3件のPlenary lecture、15のシンポジウムにて約70件の口頭発表が実施された。また、それ以外に22件のポスターショートプレゼン、370件のポスター発表、 ランチョンセミナーが実施された。参加者は、3日間で延べ1000名とのことであった(主な講演は後半2日間に実施)。Plenary lectureでは、名古屋大・馬場嘉信先生が講演され、またシンポジウムにはChina-Japan-Korea Metabolic Engineeringが大きなセッションの一つとして組まれていた。本学会からは、北陸先端大・高木昌宏先生(功績賞)、理研・菊池淳先生(奨励賞(斎藤賞))、筆者(奨励賞(照井賞))が講演した。
会長の意図したように、研究分野の近いシンポジウムにて発表させてもらったため質問も的確で、共同研究な どにつながる関係も構築できたと思われる。一方、ポスター含め発表資料はすべて英語で作成されていたが、国際セッションでも講演が韓国語で行われることが 多く、スライドとポインタを見て発表内容を推測する必要があった。
KSBB会長はじめ、運営の先生方には、大変温かい歓迎を受けた。大会の懇親会では会場内で紹介して頂き、また韓国式の料亭にて2次会を実施してもらい親睦を深めることができた。これにはKSBBの若手の先生方も複数参加され、日韓のアカデミアの状況から日常生活の違いまで議論し、楽しい時間を過ごした。
また、最終日に大会長に朝食ミーティングに招待して頂き、意見交換を行った。KSBB側からは、本学会の年次大会に招待するKSBB会員には口頭発表させて欲しいこと、韓国の休日や土日と重ならないと参加しやすいとのことであった。
最後に、お世話になったKSBBの先生方やスタッフの方々、機会を与えて頂いた本学会の先生方やスタッフの方に心より御礼申し上げます。
KSBB会長(Prof. Byung Gee Kim)らとのBreakfast meeting