生物工学会誌第87巻12号掲載
杉山 峰崇

本年度も,国際交流の一環として韓国生物工学会(Korean Society for Biotechnology and Bioengineering; KSBB)より招待を受け,2泊3日の旅程で参加してきましたので,その概要をレポート致します.KSBBの年次大会は年2回開催されており,参加した秋季大会は,韓国のほぼ中央に位置する大田市(テジョン)のテジョンコンベンションセンターで11月1,2日に行われた.テジョンと言えば,2002年の日韓ワールドカップの開催スタジアムの地名として記憶に新しいが,伺ったところでは,政府・民間の研究所や大学が多数存在する,日本で言うところのつくば市のような科学技術都市としても有名のようである.また,韓国指折りの温泉場(儒城温泉)があり,泊まったホテルはその一角にあったようで,温泉にこそ入れなかったがリラックスした雰囲気を味わうことができた.

本会からの参加者としては,会長である名古屋大の飯島信司先生に加えて,今年度の照井賞を受賞された金沢大の滝口昇先生,技術賞を受賞された三和酒類株式会社の古田吉史先生,および阪大の私がお供をさせていただいた.飯島先生は医薬バイオテクノロジーシンポジウムにおいてキーノートスピーチを行われた.一方,滝口先生,古田先生と私は,国際シンポジウムで講演を行った.このシンポジウムには,阪大で学位を取られた上海交通大学のJian-Jiang Zhong先生も招待されておられ,今大会でアジア研究交流賞も受賞された.講演内容はナノスケール酵素工学から生物由来制御アルゴリズムの話にまでおよび,大変興味深いシンポジウムとなった.また,九州工業大学/ 慶應大学の清水和幸先生もバイオリアクターシンポジウムに招待されておられ,ご一緒させていただいた.

今大会の参加者は300人程度とやや少なかったようであるが,コンベンションセンターは非常に洗練されており,2日間にわたり講演が4会場で,ポスター発表/企業展示が1会場で行われ,微生物や動物細胞の有効利用などについて活発な議論がなされていた.

大会前日には,ウェルカムディナーに招いていただき,伝統的な韓国料理に舌鼓を打った(お正月に食べるという,アンモニア臭の強い料理はいささかいただけなかったが).また,飯島先生から日本酒の差し入れもあり(高級な日本酒,ごちそうになりました),韓国のお酒と飲み比べたりしてお酒の量も進み,楽しい一時を過ごした.大会の懇親会では,韓国のシニアな先生方から私のような若輩者に声をかけていただくこともあった.たくさんの日本の先生方のお名前を出され親愛を込めてお話されるのを伺って,我々若手も研究面でも国際交流面でも先輩方の後に続けるように努力しなければと思った次第である.

最後に,今大会で大変お世話になったKSBB の先生方や仁川空港まで迎えに来てくださった学生さん,また,このような貴重な機会を与えていただいた日本生物工学会の関連の先生方や事務局の方々に心より感謝申し上げます.

KSBB大会 ウェルカムディナーにて

KSBBのメンバーとウェルカムディナーにて
なぜかガッツポーズだが,KSBBの勢いがうかがえる!?
下段左から2人目:Zhong先生,4人目:飯島先生
上段左から4人目:筆者,5人目:滝口先生,
7人目:古田先生

KSBB大会会場にて

コンベンションセンターにて
左から8人目:清水先生

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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