生物工学分野の研究者・技術者にとって『培養』は日常的に行う操作のひとつです。しかし、それを支える理論と技術は奥が深く、基本をおろそかにすると微生物や細胞の能力をうまく引き出すことも、効率の良い生産をすることもできません。今回の懇話会では、培養制御の基礎理論から工業スケールでの実践的な応用例まで、第一線の研究者・技術者にご講演頂きます。

  • 日時:2019年8月30日(金)13:00~19:00
     
  • 場所:関西大学 千里山キャンパス 第4学舎4号館4201教室(大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
       阪急電鉄「関大前」駅から徒歩約15分 ⇒会場へのアクセス 
     
  • プログラム: ※講演順序が変更になりました

12:30~ 受付 

13:00~13:05 開会の辞  藤山 和仁(関西支部支部長・大阪大学生物工学国際交流センター)

13:05~13:35
「培養工学の基礎知識」片倉 啓雄(関西大学化学生命工学部)

培養を効率化するために必須な(1)比速度の概念と求め方、(2)菌体・生産物・基質および溶存酸素の濃度の変化速度式、(3)菌体収率と生産物収率、(4)流加培養の基本式とその意義を分かり易く解説する。

13:35~14:05
「流加培養の乳酸菌培養への応用」片倉 啓雄(関西大学化学生命工学部)

流加培養は高濃度培養を可能にし、グルコースリプレッションを回避できるなどの特徴がある。工業生産における基本技術でもある流加培養を利用した乳酸菌と酵母の混合培養と、乳酸菌の高濃度培養を紹介する。

14:05~14:35 
「種々の発酵製品と生産技術開発」神田 彰久(株式会社カネカ R&B企画部)

微生物を利用した発酵製品は食品から医薬品、化学品まで多種多様であり、工業生産にあたっては様々な問題が生じる。ここでは、好気培養のスケールアップも含め、その対応策や今後の技術への期待について述べる。

14:35~14:50 休憩

14:50~15:20
「Value creation by fermentation technology」児島 宏之(味の素株式会社)

生体に不可欠のものである必須アミノ酸は人、動物等では生合成できず外部から取り入れる必要がある。必須アミノ酸を中心とするアミノ酸の微生物を用いた発酵生産の技術を振り返り、発酵工学の将来に向けての課題を考える。

15:20~15:50
「バイオ医薬品生産における動物細胞培養 これまでとこれから」大政 健史(大阪大学大学院工学研究科)

抗体医薬の市場は飛躍的に増加し、世界Top10医薬品の売上げの約7割を占めている。本講演では、抗体医薬を中心に動物細胞培養技術について微生物と動物細胞の相違点、最近のトレンドなど、わかりやすく紹介する。

15:50~16:10 休憩

16:10~16:40 
パネルディスカッション「培養工学の未踏のフロンティア」

産業界でニーズがあるにも関わらず、培養をきちんと教えている大学が少なくなっている。生物工学の他の分野に比べて、培養は技術・知識の体系化が進んでしまったがゆえに、ハイインパクトな論文が出しづらく、競争的資金もとりづらいことが一因かもしれない。そこで、このような現状について討論するとともに、培養の分野に未着手のフロンティアが残されているとすれば、それはどのようなものかを考えたい。

16:40~16:45 閉会の辞 大政 健史(関西支部副支部長・大阪大学大学院工学研究科)

17:00~19:00 懇親会 
 

  • 定員: 80名
     
  • 参加費: 一般:2,000円(税込)、学生:無料(当日会場受付にてお支払いください)
     
  • 懇親会会費: 一般:3,000円(税込)、学生:1,000円(税込)(当日会場受付にてお支払いください)
     
  • 申込み方法:こちらのWEBフォームよりお申し込み下さい。
     
  • 申込み締切:2019年8月20日(火)正午(定員になり次第、締め切ります)
     
  • 問合せ先:
    〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号
    関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 環境微生物工学研究室
    日本生物工学会 関西支部支部委員 岩木 宏明
    Tel: 06-6368-0779
    E-mail

会場へのアクセス

第115回醗酵学懇話会 会場へのアクセス

 

 

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