従来の微生物培養法では自然界の微生物の1%程度しか培養ができていません。残された99%の未培養微生物(Microbial dark matter)資源は、国内外で学術、産業面の利活用が期待され、網羅的なゲノム解析などが活発に行われています。しかしながら、塩基配列だけでは分からない微生物の機能解明や利用を考えた場合、生物工学的視点から、ダークマター微生物の解析、探索、分離・単離、培養、評価、保存、利用に関連する新規技術開発や、ビッグデータとの連携が必須です。未培養微生物(微生物ダークマター)資源工学研究部会は、ダークマター微生物に関連する研究、基盤技術開発、利用の活性化を目指しています。

2021年度に本研究部会の活動を中心とする申請が(公財)発酵研究所 学会・研究部会助成に採択され、微生物の分離・培養・分類・保存などに関する研究で、生物工学分野におけるダークマター微生物の課題解決に資する新たな方法論や基盤技術の確立を目指し、本研究部会の活動推進に貢献する研究提案を生物工学会会員の皆様から公募いたしました。今回はその成果発表も含めた、シンポジウムを企画しました。また、新規な培養デバイスiChipを開発、活用することでダークマター微生物を培養化し、新規な抗生物質(teixobactin )の発見、生産につなげたProf. Kim Lewis(Northeastern University)と同じlabのスタッフの講演もあります。皆様、奮ってご参加くださいませ。

【主催】公益社団法人 日本生物工学会 未培養微生物(微生物ダークマター)資源工学研究部会
【後援】IFO 公益財団法人 発酵研究所  

プログラム

  • 9:50~10:00 はじめに……青柳 秀紀(筑波大学)
     
  • 10:00~10:50
    <基調講演>
    Discovering New Antibiotics from Unlikely Sources
      …………Kim Lewis(Antimicrobial Discovery Center, Northeastern University)
     
  • 10:50~11:35
    <招待講演>
    New Peptide Compounds of Photorhabdus temperata Identified by the Screening
     Approach That Monitors the Outer-Membrane Stress in Escherichia coli
      …………Sangkeun Son(Antimicrobial Discovery Center, Northeastern University)
     
  • 11:35~13:00 昼休み
     
  • 13:00~13:30
    気相環境に着目した新規培養法による微生物ダークマター資源の探索
     …………高橋 将人(筑波大学)
     
  • 13:30~14:00
    南極産菌類を利用した新たな研究分野の開拓への挑戦
     …………辻 雅晴(旭川工業高専)
     
  • 14:00~14:30
    生存しているが発芽不能状態の芽胞を標的とした未培養微生物の発芽および培養法の開発  
     …………坂元 仁(大阪公立大学/関西大学)
     
  • 14:30~14:45 休憩
     
  • 14:45~15:25
    ITO電極を利用した微生物スクリーニング
     …………小山 純弘(エイブル株式会社)
     
  • 15:25~16:05
    3つの未知:未発見・未培養の未利用真菌を環境中から引き摺り出す!
     …………橋本 陽(理化学研究所バイオリソース研究センター)
     
  • 16:05~16:45 
    アメーバ共培養法による難培養性レジオネラ属菌の検出
     …………井上 浩章(アクアス株式会社 つくば総合研究所)
     
  • 16:45~16:55  おわりに……青井 議輝(広島大学)
     

参加申込

こちらのフォームよりお申し込みください。
※当日受付は行いません。必ず事前登録をお願い致します。

  • 申込締切日: 2023年3月24日(金)

   

問い合わせ先

未培養微生物(微生物ダークマター)資源工学研究部会代表
筑波大学 生命環境系 青柳 秀紀
E-mail: