日時 2013年2月8日(金)13:30~18:00
場所 月桂冠株式会社 昭和蔵工場(〒612-8361 京都市伏見区片原町 300) 
アクセスマップ
京阪京都線「中書島駅」から徒歩5分、近鉄京都線「桃山御陵前駅」から徒歩10分
TEL. 075-623-2130(担当:総合研究所 秦・堤)
講演 (13:30~15:20)
見学 月桂冠(株) 大蔵記念館 15:30~16:20 
懇親会 月桂冠(株) 昭和蔵工場 16:30~18:00
定員 80名(定員になりしだい締め切ります) 
参加費 1,000円(不課税)  
学生は無料
懇親会会費 2,000円・学生は1,000円(税込)
参加費、懇親会費は当日会場にてお支払い下さい。
申込み方法 氏名・連絡先・TEL・懇親会の出欠を明記の上、下記宛にお申し込み下さい。
申込先 大阪府立大学生命環境科学研究科 
関西支部庶務担当
岡澤 敦司
TEL. 072-254-7341
E-mail: okazawa@plant.osakafu-u.ac.jp

 

C1酵母による異種遺伝子発現を制御発酵から考える

      京都大学大学院農学研究科 応用生命科学専攻  阪井 康能・由里本 博也

アミノ・核酸発酵などの代謝制御発酵は、生産代謝に関する生化学と生産菌の育種・培養法などの応用技術が表裏一体となり確立した。メタノール資化性酵母(C1酵母)は、強力な分泌系とメタノール誘導性プロモーターを特徴とした異種遺伝子発現宿主として、またその一方で、オルガネラ動態に関する分子細胞生物学のモデル生物として知られている。タンパク質生産においては最適の宿主を選抜するのが一般的で、「代謝制御発酵」のような戦略的アプローチがない。また、どの宿主を用いてもタンパク質の高生産が困難なものがある。有用タンパク質生産が基盤とするのはセントラルドグマをパラダイムとする分子細胞生物学であるが、異種遺伝子発現に関しては代謝制御発酵のような生産戦略が確立していない。

本講演では分子細胞生物学を礎とする「分子細胞制御発酵」について誘導性遺伝子発現から分解に至る、タンパク質の一生と細胞内輸送の分子メカニズムやその応用例など、C1酵母によるタンパク質生産にまつわる話題を提供する。


 

麹菌が生産する環状ペプチド-デフェリフェリクリシン-の大量製造技術の開発とその応用

   月桂冠株式会社 総合研究所 戸所 健彦

麹菌は清酒等の醸造に用いられるだけでなく、その多様な代謝産物は酵素剤や化粧品原料等としても幅広く利用されている。麹菌が生産するデフェリフェリクリシン(Dfcy)は六員環の環状ペプチドで、鉄イオンと特異的に強く結合することで赤色のフェリクリシン(Fcy)になる。Fcyを代表とするフェリクローム類は清酒の着色原因物質として1967年に単離・同定された。Fcyは他の鉄化合物と比較して特出した水溶性を持つほか、鉄特有の味・においがしないことから食品素材として優れており、鉄補給食品等への応用も期待される。また、鉄が結合していないDfcyにも鉄キレート剤等としての利用が期待される。

本講演では、Dfcyの大量生産を初めて可能にした製造技術の開発とDfcy/Fcyの今後の応用の可能性について紹介する。

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