第4回電子討論会「研究における事故」 – 溶媒
投稿日: 2018.08.20 最終更新日: 2018.08.21
- 溶媒(ジエチルエーテル)の入った三角フラスコの栓が取れなくなったので、湯せんでガラスを暖めて取ろうとしたところ、栓が飛び、肩から顔にかかった溶媒に引火し大やけどを負った。
- 水溶性の溶媒を流しに流したところ、流れて行った先の排水溝で何かの火が引火し、排水溝のフタが何枚か吹っ飛んだそうです(某社工場長談)。溶媒は回収して適正に処理しましょう。
- ある先輩がエバポレーターで溶媒を循環式アスピレーターで引いて飛ばしていた時、冷却水を流していた水道の栓を誰かが止めてしまったそうです。そのため、溶媒が回収されずにアスピレーター経由で漏れ、湯沸かし器の種火で引火して天井を火が走ったそうです。以来、その先輩は冷却水の蛇口に必ず「触るな」と表示し、こまめに水が流れているか確認しているそうです。
- ある学生さんが核酸抽出用フェノールを溶かそうとして、湯せんにかけたまま忘れてしまいました。空焚きになる寸前、たまたま通りかかった別の学生が気付いて事なきを得ました。以来その学生さんはウォーターバスを使って溶かしているそうです。
- 微生物を培地に塗布するために白金耳をガスバーナーで滅菌しようとしていたのですが、熱した白金耳を誤ってエタノールの入ったビーカーにつけてしまいました。エタノールは引火し、ビーカーは上部のほうが砕け散りながらも、ビーカーの下の方はそのまま形が残り、燃え続けていました。万が一のことを考え急いで消化器を持ってきてから、大きいバケツに水をいっぱいに入れたものを用意しました。大きい鉄製のはさみで引火したエタノールの入ったビーカーをつかみ、水の入ったバケツに静かに入れました。これで無事消化できました。ビーカーが全部砕け散っていたら火の海になるところでした。ここから得られた教訓は、熱した白金耳などをエタノールに絶対につけないこと。
- もし引火しても割れない容器を用い、フタをして消すようにする考え方もあります。
- 恥ずかしい事故(?)ので、名乗れません。クリーンベンチとエタノールの事故で思い出しました。年末の大掃除で、汚れたクリーンベンチ内部を消毒用エタノールで拭き掃除をやっていました。上半身は丸ごとクリーンベンチの中に入れ、エタノールをふんだんに使っていたら… 30分後には完全に酔っぱらっていました。ちゃかしてすみません。失礼しました…
- それより引火しなくてよかったですね。クリーンベンチの中をエタノールでスプレーするのも危険だと思います。エタノールと火は、有機化学系の実験室ではミスマッチですが、微生物系では必需品ですから問題ですね。さっそくステンレス製の容器を買うことにしました。熱でガラスが割れるのは予想してませんでしたので。
- うちではフタ付きのプラスチック容器を使っています。Sigmaなどの試薬瓶が入ってくる容器です。フタをした時の密閉性が良いので、エタノールを入れたまま保管できて便利です。一度火が入ったことがありますが、フタをしてすぐ消火できました(容器の口が少し溶けたので交換しました)。ただし、重心が高くて転倒しやすいので、ガラスシャーレに接着剤で固定して使っています。また、クリーンベンチ内ではバーナーとは出来るだけ離れた位置に置くように指導しています。
⇒その後の btf での議論
- 溶媒の瓶を取り落として割れ、ストーブの火で引火して研究室が全焼。貴重な実験材料やデータも全て失われ、何人か卒業が遅れたそうです。溶媒使用時はもちろん、溶媒瓶を「持つ」時も火気厳禁です。