第4回電子討論会「研究における事故」 – その他
投稿日: 2018.08.20 最終更新日: 2018.08.21
- 某大型プロジェクトがらみの装置を、操作を習熟していない学生さんが終夜運転。帰宅後、火が出て消防車出動。ボヤで済みましたが原因は装置の設定ミス。研究に用いる機器はプロが使用することを前提にしており、家庭電器製品のようにフェールセーフになっていないものが多いことを忘れてはなりません。
- 私が学部4年の時、廊下から「バシュ、キーーーーン」と言う大音響がしました。廊下に出てみると、窒素ボンベが白く霜をかぶっていました。ボンベは未使用で、レギュレーターも付けていませんでしたが、残圧はゼロでした。ボンベのキャップが突然壊れて一気に吹き出し、断熱膨張で冷えて霜をかぶったと考えられます。エレベーターや換気の悪い部屋で起こっていれば酸欠死亡事故になっていたかも知れません。エレベーターにボンベと同乗するのはやめましょう。液体窒素と同乗した時も、もし停電でエレベーターが止まったら酸欠になります。(確率は低いがロシアンルーレットと同じです。)
- 名前を忘れましたが、水銀の入ったU字管と細い管の組み合わせで流速を計る装置を使って、測定系を組み立てていました。足らない部品があることに気付き、別の部屋に取りに行く際に、留学生に「触るな」と言ったら、「はい」と言ったので、安心して部品を取りに行きました。帰ってくると、部屋中が、美しい銀世界と化していました。見た人の話によると、7気圧全開でかけたらしく、銀色の煙が飛び出したそうです。
- まだガラスのシャーレを使っていた頃ですが、コンタミが異常増加して、実験にならなくなりました。原因を調べたところ、「オートクレーブが120℃ 10分で殺菌できるなら、150℃の乾熱滅菌器なら 10分で滅菌できていないはずは無い」と思い込んでいた人がいました。
- FPLCを駄目にしてしまった例です。大学の共通施設内にある共通のアマ ************* 社(長い。。)の FPLCで93年にMonoQカラムを使っていたラボが、利用終了後に、バッファー置換をせず、Tris-EDTAとNaClの入ったバッファーを放置していました。99年に利用を希望して気付いたのですが、バッファータンクには、きれいな塩の単結晶(2.5 cm X 2.5 cm)が複数できていました。システムを利用するためにポンプを修理、UVメータ交換をして高額な投資が必要となりました。(できるだけのことはして、修復しようとしましたが無理でした。)