生物工学若手研究者の集い(若手会)夏のセミナー2014 報告
2014年7月12日~7月13日の2日間にわたり、兵庫県神戸市立神戸セミナーハウスにて若手会夏のセミナー2014を開催しました。
今回は、世界初の独創的な技術やアイデアで実用化を進めているバイオベンチャーをテーマとして、新進気鋭の先生方4名にご講演いただきました。また、日本醸造学会若手の会との共同開催という形で、醸造学会メンバーによるリレー講演と試飲会を開催していただきました。また、定例となりつつあるポスターセッションに加え、テーブルごとに設定された生物工学に関するテーマをもとにざっくばらんに語り合うRound Table Discussionなるものも新たに企画しました。
上記のような盛り沢山な内容で時間的には少しタイトでしたが、おかげさまをもちまして、企業からの参加者15名を含めた一般68名、学生64名、計132名の若手研究者にご参加いただき、たいへん盛会なセミナーとなりました。
神戸市立神戸セミナーハウス
準備完了☆
みなさん続々と到着です!
実行委員の西による注意事項の説明と、石井による開会宣言からスタート
若手会会長の加藤竜司先生(名古屋大学)から挨拶です
講演会場の様子
まずは、講演会からです
特別講演1
家戸 敬太郎先生(近畿大学水産研究所)
海水魚の完全養殖とその産業化
ハマチをはじめとして、ヒラメやブリ、マダイなどの近畿大学における養殖技術開発の歴史や、大学発ブランドである近大マグロの完全養殖と産業化に成功した経緯や体験談をご講演いただきました
つづいて、日本醸造学会若手の会との共同企画(リレー講演)です
日本醸造学会若手の会の活動趣旨 林 圭先生(三和酒類株式会社)
学講演 「大学で麹菌を究める~基礎研究を醸造に活かすには?」 丸山 潤一先生(東京大学)
産講演 「清酒造りを支える技術 ~発酵の魅力~」 堤 浩子先生(月桂冠株式会社)
官講演 「(独)酒類総合研究所の酒質向上への取り組み」 織田 健先生(酒類総合研究所)
日本醸造学会若手の会における活動内容や趣旨を林先生にご説明いただいた後、学産官それぞれの立場での醸造に関する研究への取組みや開発の現場などを、リレー形式で丸山先生(学)、堤先生(産)、織田先生(官)からご紹介いただきました
引きつづき、日本醸造学会若手の会による試飲会です
日本酒・焼酎・ビール・ワイン・泡盛などをご提供いただきました
ありがとうございました!
色々なお酒に舌鼓を打ちながら、醸造学会と生物工学会の若手研究者のみなさんが互いに楽しく語り合いました
ほどよく緊張がほぐれたところで、いざ、ポスターセッションへ!
62題のポスター発表について、全後半に分かれて、熱い議論が繰り広げられました
ポスターはそのまま懇親会場へ!
議論し足りない部分については、夜の懇親会でつづきをどうぞ!!
次は、Round Table Discussionです(ラウンド・テーブル・ディスカッションって??)
とりあえず、16個のテーブルに分かれて、1stラウンド スタート!!
最初はみんな手探りでしたが、だんだん議論が白熱してきて、予想以上に盛り上がりました
ファシリテーター(進行役)をお引き受けくださった各テーブルの先生方、ありがとうございました!
名残惜しいけど、もう、お風呂と夕食の時間です
静かに!!
園元謙二先生(生物工学会会長 / 九州大学)にご挨拶をいただきました
乾杯!!
みんなで楽しく夕食をいただいた後、中山亨先生(理事 / 東北大学)に中締めの挨拶をいただきました
休憩を挟んで、いよいよ懇親会のスタートです!!
実行委員の大津による乾杯の後、産総研で公募しているイノベーションスクールの内容を、吉田剛士さん(産総研)と河合総一郎さん(京都大学,イノベーションスクールDC生)にご紹介いただきました
つづいて、奈良先端大チーム主催のクイズ大会で、負けたチームのメンバーは舞台上で、研究室紹介もしくはそれに準ずるアピール(○発芸)をしていただき、大いに盛り上がりました!ひな壇に上がってくれたみなさま、ご苦労様さまでした!!
その後はポスターを囲んだり、お酒を囲んだりしながら、みな交流を楽しんでおりました
宵(酔い?)も深くなる前に、五味勝也先生(理事 / 東北大学)に激励のお言葉(中締め)をいただきました!!
まだまだここからが本番です!
夜はいつ更けるのやら…
夜が明けて…
みなさん元気ですか?!
2日目の朝は、まずポスター賞の授賞式です
最優秀ポスター賞
山本麻寿紗さん(九大院農 / 学生)
「アジア人の腸内細菌叢の加齢に伴う変化」
優秀ポスター賞
杉野春貴さん(九大院農 / 学生)
「環状バクテリオシンenterocin NKR-5-3B生合成におけるリーダー配列の影響」
城山真恵加さん(奈良先端大バイオ / 学生)
「大腸菌におけるチオ硫酸イオン優先的なシステイン合成制御機構の解明及び新規チオ硫酸イオンインポーターYeeEDの機能解析」
河合駿さん(名大院創薬科学 / 学生)
「細胞画像情報解析を応用した神経細胞成長制御分子スクリーニング系の構築」
河野祐介さん(奈良先端大バイオ / 一般)
「大腸菌におけるGlpEのチオ硫酸同化への関与とl-システイン発酵生産への応用」
御田洋介さん(阪大院薬 / 学生)
「緑藻カロテノイド酸化開裂酵素が担う酸化ストレス耐性機構の解析」
加藤竜司若手会会長より表彰が行われました
おめでとうございます!!
つづいて、今回はじめての試みとして、生物工学学生優秀賞(飛翔賞)受賞者の曽宮正晴さん(名大院)、岡橋伸幸さん(阪大院)、佐々木寛人さん(名大院)、木田晶子さん(名大院)、佐藤康史さん(北大院)、影山達斗さん(横浜国大院)、野口拓也さん(九大院)に審査員となっていただき、2名の飛翔奨励賞を選んでいただきました
飛翔奨励賞
山本麻寿紗さん(最優秀ポスター賞とダブル受賞!!)
江澤僚将さん(神戸大院工 / 学生)
「上皮成長因子受容体を特異的に認識するAffibody提示バイオナノカプセルの開発」
飛翔賞受賞者のみなさんから、表彰と審査のポイントをコメントいただきました
受賞者のみなさん、おめでとうございます!!
次に、大政健史先生(理事 / 徳島大学)から1日目を終了した時点での感想とご挨拶をいただきました
つづいて、蟹江彗先生(名古屋大学)から来年の夏のセミナーについてアナウンスをしていただきました
引きつづき、最後の講演会です
特別講演2
塚原 正俊先生(株式会社バイオジェット)
伝統的な泡盛醸造技術には意味があった ~先端技術による付加価値の解明~
日本最古の蒸留酒といわれる泡盛の生まれた歴史や伝統的な醸造工程、泡盛醸造に特徴的な黒麹菌や熟成などの説明を交えながら、うまみの秘密を解き明かすために先端分析技術を取り入れた研究内容についてご講演いただきました
特別講演3
菅原 潤一先生(スパイバー株式会社)
“QMONOS”実用化への挑戦
きわめて高い強度と伸縮性を合わせ持ち、次世代バイオ素材として注目されるクモ糸タンパク質(フィブロイン)を微生物で大量生産し、人工的にファイバー化することを目指した研究について、学生時代に会社を立ち上げた経緯や様子を交えながらご講演いただきました
特別講演4
中山 功一先生(佐賀大学大学院工学系研究科)
骨折の治療から着想したあたらしい再生医療とバイオ3Dプリンタの開発について
臓器など立体組織の作製を可能とするバイオ3Dプリンタに関して、細胞だけで厚みを持った立体構造体を作ることに成功した経緯、複数種類の細胞を任意の位置に配置する手法や画像認識を組み込んだ自動化ロボットの開発など、体験談を交えながら、分かりやすくご講演いただきました
バイオベンチャーに関わる最先端研究の内容と現場の様子をご講演いただき、みな興奮した様子で熱心に拝聴・質問をしていました
実行委員の原田(若手会副会長)による閉会宣言で、いよいよ夏のセミナー2014も終了の時を迎えました
最後に全員で記念撮影です!!
とても充実した、あっという間の2日間でした!
みなさん夏のセミナー2014楽しんでいただけましたか?
また来年、蟹江先生が幹事代表の名古屋でお会いしましょう!!
生物工学若手研究者の集い 夏のセミナー2014 実行委員
牧野 智宏(アスビオファーマ株式会社)
西 輝之(株式会社カネカ)
堤 浩子(月桂冠株式会社)
岡﨑 文美(住友化学株式会社)
大津 厳生(奈良先端科学技術大学院大学)
山田 亮祐(大阪府立大学)
松田 史生(大阪大学)
荒木 通啓(神戸大学)
原田 和生(大阪大学) 若手会副会長
石井 純(神戸大学) 夏のセミナー2014代表幹事