第4回電子討論会「研究における事故」 – ガラス
投稿日: 2008.07.31 最終更新日: 2018.08.21
- 昔々学部生の頃、ちょうど卒論前の2月に徹夜で実験していて、メスピペットを安全ピペッターのゴム球に押し込む際に破損し、左手の指先を切って4針ほど縫うけがをしました。ピペットの出来るだけ端の方をしっかりと3本の指で持って、無理に押し込まないという基本を守らなかったために大変な目に遭いました。^^;)卒論、修論の季節に事故の話をよく聞きます。みなさん、忙しいときほど気をつけましょう。
- 私も昔、これで手を切り病院に行ったことがあります。卒論提出前で心理的にあせっていた事もありますが、石鹸液を塗るという方法をその当時知りませんでした。注射針で指を貫通した事もあり、この時も少しあせっていたような記憶があります。
- 「3本の指で持って」のフォローです。例えば、新版続実験を安全に行うために(化学同人編集部編、化学同人) の8ページには、ガラス管を5本指で握っている挿し絵が載っていますが、私たちは、阪大基礎工学部の圓尾(まるお)先生の報告を参考にして、「ゴム栓(安全ピペッター) にガラス管(ピペット) を挿入する場合、ゴム栓から2cm以内を親指、人差し指、中指の3指で持って挿入する(小指、薬指は使ってはならない)。3指で入らない場合、それは入れてはいけない組合せであることを意味し、ゴム栓の穴を開け直さなければならない。」と指導しています。
- 廃ガラス入れに割れたビンを入れようとして、落ちた衝撃でガラスが飛び散らないように、そっと捨てようと手を入れたら、上向きになったガラスキャピラリが指にささりました。指の内部でガラスが砕け、手術して摘出してもらった事もあります。小型のレントゲンで見ながらの手術でした。傷口を縫う前に(開いた状態で!)、摘出が終わったかどうかを確かめるため、歩いて別のレントゲン室に行きました。ささった時はにぶい痛みで、手術中も局部麻酔で痛みはありませんでしたが、麻酔が切れた後の痛みは、これまで経験したことのないひどいもので、いただいた鎮痛剤をあわてて飲みました。
- 合成サンプルをパスツールピペットで小さなナスフラスコに移しているとき、誤って手に刺してしまいました。もちろんのこと手の中でパスツールは折れてしまいました。十分傷口は洗ってガラス片は出したつもりなのですが、残っていたらしく、後日化膿して腫れ上がって来たため、手術で取り除きました。
**様と全く同じように、レントゲンを撮りながらの手術となりました。手術が大がかりだったため、整形外科病棟に数日間の入院を余儀なくされ、職場に恥をかいた記憶があります。パスツールみたいな肉薄のガラス器具はいとも簡単に割れるし、傷口の中に残っていても容易には発見できないことが多いので皆さん気をつけて下さい。
- 御同輩がいらっしゃったとは驚きました。実は、さっきは一部話を省略しました。私も手術したのは傷口が直った後です。幸い私の場合、化膿はしませんでしたが、しこりが指からとれず、しこりをさわると少し痛いので、ガラスが残っていると思い大学病院に行ったのです。医者は最初、ガラスはレントゲンに写らないと言っていましたが、何故か写ってくれ、2方向からの撮影で、位置を確定できました。私の場合、日帰りで済んだのは不幸中の幸いだったようですね。
- 僕の場合は手術で取り出したガラス破片が何と、大小取り混ぜて18個もありました。いかに傷口内で粉々に割れていたか判ります。もっと驚いたのは、入院から数年後、手術したところから、医者が取り残した(って、なんちゅう医者や・・・) 破片が自分から皮膚を突き破って出てきたことです。人間には自然に体内の異物を外に出すという機構が備わっているという話しをマンガ(ブラックジャックだったと思う) で読んだことがそのまま実践されたので、「人間ってすごいなあ・・・」と感銘してしまいました。
- ネジ口試験管のネジを閉めすぎてガラスが割れる事はたまにありますが、どのくらいの力以上だと怪我をするか学習したせいか、最近、怪我はありません。もう一歩進んで、どの位以上の力で割れるのか、学習できるといいのですが、焦り気味の時は、手に力が入り過ぎるようでリ。力の入れ加減は、ガスクロのカラムをスパナで締め付ける時にも言えます。ネジを手で締め付けるタイプのものは力の入れすぎは少ないかも知れません。しかし初心者には、ガラスに力がかかる作業をする時は、適当な手袋を着けるように指導すべきでしょう。
- 培養用の2リッターの三角フラスコを洗っているときに、口が欠けているのに気づかず、その部分を握ったため、握りつぶしてしまい、左手の親指を12針縫う怪我をしました。丁度春の年会の前の日で、包帯ぐるぐる巻きの手で発表をしたことを覚えてます。植菌時に綿栓を火炎であぶるため、どうしても肉厚のフラスコはひびが入ることがあるのを忘れていたための怪我でした。
- メジウム瓶にアガロースを入れて電子レンジで溶かし、早く冷やそうとしてフタを閉じて水をかけたところ、割れてガラスの破片がまぶたに刺さりました。
少しずれていれば失明していたかも知れません(^ ^;) 急冷は禁物です。
- 割れた試験管を試験管立てに立てたままにしていたら、他の試験管を取ろうとした時に指をザックリ切って2針縫いました。割れたガラス器具は直ちに処分しましょう。
- ある先輩は、1Lのビーカーを鷲掴みにしたところ割れ、指の神経を切り、リハビリに1年近くかかったそうです。500mL以上のビーカーは両手で持ちましょう。