• バケット式の低速遠心機で500mL X 4本を遠心したらバランスが合っていなかったためか遠心機が1mくらい吹っ飛んだ。
     
  • 高速遠心機でサンプルのバランスは取ったが、うっかり対称に入れなかったため軸が曲がった。
     
  • スイング型遠心機でガラス遠心管を回したところ、遠心管が長かったため、回転してバケットが傾いた時にアームに引っかかり、破損して中に飛び散ってしまいました。遠心管の長さには制限があると、このときに初めて知りました。この例は別として、通常の事故はバランスをとるという基本的な事で大半防げるのではないでしょうか?
     
  • 現在、海水域の生き物を利用しています。御想像どおり、遠心機の腐食は激しいです。現在、1つの小型遠心機は中が茶色です。つまり、錆による粉が充満して内壁に付いた模様です。(私は使っていません。)また、ローターは現在アンバランスにより軸が曲がり、変な音が周期的に聞こえます。(<かなり危ない)メーカーに来てもらい、見てもらったところ壊れるまで使ってもらわないと対処のしようが無い、と無責任な事をいわれました。こういうものなのでしょうか?
     
  • 昔いた研究室で、ローターがむき出しの遠心機を使っていた時、回転数が上昇するにつれて、いやな気分になったのを覚えています。今でも、目的の回転数に達するまではその場を離れないようにし、異常持には、すぐにスイッチを切るようにしていますが、異常になってからでは間に合わないのでは … と思う時もあります。理想的には、別室で遠隔操作するのがベストでしょうね。音だけは、ちゃんと聞こえるようにして。
     
  • 以前いたラボで超遠心機のうち蓋をつけ忘れ、最高速度でローターが飛び出るという事故がありました。その時は、最大スピードに達するまで近くにいなかったことで、人的被害は出ませんでした。近くにいれば事故を未然に止められたのか、或いは惨事となっていたかは今となっては分かりません。それを思えば近くにいるのも恐いですね。
     
  • 遠心機のローターの装着が不完全のまま回した。回転軸が曲がり修理に約100万円もかかった。
     
  • 遠心機の事故で意外に多いのは遠心管の破損です。古い遠心管や、遠心力に耐えられない使い捨てチューブを使った場合(案外よく見かけます)、割れたり液漏れしたりすることが原因でバランスが崩れてしまうことがあります。この場合は、バランスを合わせる等の操作が正しくても起こります。250mLや500mLの遠心管を使う場合には液漏れなどによってもバランスがかわってしまいます。古い遠心管は使わない方がよいと思います。あと、超遠心用のキャップが老朽化で破損し、恐ろしい音が聞こえてきたことがあります。
     
  • プラスミドを超遠心で精製する際、誤って4℃に設定したため塩化セシウムが析出してバランスが崩れ、軸が曲がった(修理に100万円以上)。冷却機を入れずに超遠心機を回したところ、モーターの発熱と空気との摩擦で温度が上がり、遠心管が溶けた(内容物はもちろん蒸発、ローターは精密検査)。これ以外にも超遠心機のローターが飛ぶ事故(何れもバランスが崩れたのが原因)を3例見聞きしたことがあります。超遠心機の操作はウッカリが即事故につながることを認識しましょう。
     
  • 以下は試料漏れに関するコメントです(ちょっと計算をごまかしてます^^;)。
    遠心分離時には液面は軸に平行になりますが、この時、遠心管の口ぎりぎりの液面をAとします。これより1cm余分に試料を入れ(液面B)、10000 Xgで遠心分離した場合、遠心管の口とフタの境目(*の位置)には10気圧もの水圧がかかります(1 Xg では10mの水柱の圧力が1気圧)。だから試料が洩れるかどうかは、例え柔らかい遠心管であっても指で押してみたぐらいでは分かりません。密閉性が十分確認された遠心管でない場合、試料はAまでにしましょう。Aの液量は、ローターのアングル(シータ)度を調べ、水をいっぱいに入れた遠心管を90-(シータ)度傾けた時に残った水の量です。これ以上入れるとサンプルはロスるし、後始末が大変だし、ろくな事はありません。

遠心機
 

  • うちの研究室では経験してませんが。使用限度を越えてヴァーチカルロータを使用していて、ロータが真っ二つに割れた。B社によると、国内でも事故事例があるそうな。
     
  • ロータの蓋をきちんとしめていなかったので、遠心中に蓋が飛び、チャンバ内およびロータを破損。ロータの締めつけネジを締め忘れて遠心。ロータが飛び、ドライブ、チャンバを破損。バケットをきちんとかけずに遠心。バケットが飛び、ドライブ、チャンバを破損。よくあるのは、規定量以下のサンプル量で遠心。チューブが壊れてロータから取り出せなくなる。
     
  • ローターとフタの間のパッキンが無いと、減速時にフタが緩んで飛ぶ場合があるそうです。多分、加速時は慣性でネジが閉まるが、逆に、減速時は緩むのが原因だと思います。と言いながら、先ほどうちの遠心機のローターを見たら、3個ともパッキンが無い!(あわてて発注しました ^ ^;)
     
  • バケット式のローターのアセンブリー(?)は、例えば 4個掛けるタイプの場合、4個とも同じものを掛けろ(たとえサンプルが2つしかなくても)と取扱い説明書にあります。床置き式のスイング型遠心機(いわゆる clinical fuge)の取説は無くしてしまっていることが多いので、以外と知られていないのでは? 「規定量以下のサンプル量で遠心」ですが、うちでもテフロン製のチューブを何本かだめにしたことがあります。

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