日時2017年8月25日(金)13:00~19:00
場所関西大学 千里山キャンパス 100周年記念会館 (大阪府吹田市山手町3丁目3番35号)
参加費1,000円(税込)/学生 無料
〈懇親会参加費〉 一般:4,000円(税込)、学生:2,000円(税込)

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「地ビール業界の現状と展望 ~我が国の百年前のビール業界から、百年後のビール業界を予測してみよう~」

石川酒造株式会社/全国地ビール醸造者協議会 石川 彌八郎

明治時代、わが国の各地に数多くのビール醸造者が存在していたことは、あまり知られておりません。その数は、150とも200とも言われていますが、ビール草創期の研究はあまり行われていないのが実情で、正確な数さえ不明です。そのような中、明治時代に「日本麦酒」の名でビール醸造をしていた石川家の資料より、明治時代から今日までの、ビール業界の変化を調べ、百年後の日本のビール業界を予測します。さて、本当に時代は繰り返すのか。

 

「地元で採取された香気性野生酵母KADOYA1によるビールつくりについて」

伊勢角屋麦酒 鈴木 成宗

特徴あるクラフトビールを製造するために、新たな酵母(KADOYA1)を椎の樹液より分離・同定し、実規模による醸造特性及びその酵母を用いて製造されたビールの香気特性を明らかにした。KADOYA1は十分な醗酵力があり、市販酵母とは異なる特異的な香気成分の生産性をしていることが明らかとなった。KADOYA1で醸造したビールは高級脂肪酸エステルを多く含んでおり、それに由来するエステルに富む香気特性であることが確認できた。さらに、海外クラフトビールメーカーと共同開発したビールは、ベルギービール様のエステリーで僅かに酸味のある官能特性であることが確認できた。以上のことから、KADOYA1は特徴的な風味を形成できる実用ビール酵母として有用であると判断できた。
KADOYA1を用いたビールは国際大会で多数受賞し、当社の主力商品の一つとなっていると共に、野生酵母の分離・同定と実用規模での活用ができるという点で、当社は業界内で特殊な地位を占めつつある。

 

「江戸時代に造られた日本初のビール」

小西酒造株式会社生産本部 辻 巌

江戸時代に日本で初めてビールを醸造したのは、蘭学者の川本幸民(かわもとこうみん)です。このことは大手ビールメーカーのホームページ等にも掲載されており、ビール業界ではよく知られています。しかしこれまで150年以上謎であった醸造した場所を発見したので紹介します。また当時どのような設備と方法で造られたか、川本幸民が残した「化学新書」を元にビールを復元しました。当時の資料等を交えながら日本初のビール醸造の魅力をお伝えしたいと思います。

 

 

「クラフトビールと地域のつながり…曽爾高原ビールの在り方」

曽爾高原ファームガーデン第一営業部 立花 弘晶


昨今、地方創生・6次産業化と言う言葉が広がり、特産品開発が地域おこしの魅力造りだ!と叫ばれる中、クラフトビールが注目の一つとなっております。地域の産物を使ったビール(厳密には発泡酒が多い)を醸造し魅力UPに繋げようとする試みが増えています。私たち、曽爾高原ビールは、『曽爾村』の枠組みを超え、奈良のお土産としての認知度がUPし、観光の際の楽しみとして取り上げられる事も増えてまいりました。曽爾高原ビールは、今後地域に浸透しどのように歩んでいくかを模索し存在意義を示さないといけない時期に来ております。そのような中で今までの歩みと現状の取り組み、どのような発展が望ましいのかを紹介させていただきます。

 

「与謝野ブランド戦略 与謝野町クラフトビール醸造事業の取り組みについて」

京都府与謝野町農林課 井上 公章

「与謝野クラフトビール醸造事業」は、与謝野ブランド戦略のブランドコンセプト「みえるまち」における「安心安全がみえる」を実現するプロジェクトの一つとして、ホップの産地化と町内でのクラフトビール醸造等により六次産業化を見据えて、ホップの試験栽培を行うものです。

平成27年度から「京都与謝野ホップ生産者組合」がホップの試験栽培を行い、藤原ヒロユキ氏(日本ビアジャーナリスト協会代表理事)が栽培指導・販路開拓支援等にあたります。
これまで国産ホップ農家は大手ビール会社と契約していることから、国内の小規模ビール醸造所が国産ホップを入手することは困難とされ、一部の自家栽培を除き、大多数は海外ホップの輸入に頼ってきました。

与謝野町では昨年、一昨年の試験栽培で一定の成果を得ました。これは、フリーランスの生産者組合が小規模ビール醸造所に国産ホップを提供する第一歩を踏み出したことを意味し、安心安全な国産ホップによるビール製造を目指すことが可能になります。本年度においても試験栽培を着実に行い、ホップの産地化に向けた基盤の確立を目指します。加えて、「与謝野ブルーイング・ジム構想」として、利用しなくなった公共施設を活用し、複数のブリュワリーを誘致し、併せてブリュワー養成塾、レストラン、キャンプ場等を展開することによりホップ産地直結のブリュワリー拠点を目指します。

 

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