第3回CHUBU懇話会・第5回産学技術研究会 – 講演要旨
投稿日: 2014.06.02 最終更新日: 2014.06.03
日時 | 2014年8月8日(金)13:30~16:20 (企業見学 16:30~17:20 / 懇親会 17:30~19:00) |
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場所 | 天野エンザイム株式会社岐阜研究所(岐阜県各務原市テクノプラザ一丁目6番) |
講演要旨
- 13:30~14:10
「天野エンザイムの紹介と糖転移酵素α-グルコシダーゼの機能改変」
……山口 庄太郎、石原 聡(天野エンザイム(株))
天野エンザイムの会社紹介と共に、新製品開発を担う岐阜研究所から、糖転移酵素α-グルコシダーゼの機能改変について紹介する。予測した立体構造上の活性中 心ポケット近傍にあるアミノ酸の置換により、糖転移能が向上し、さらにα-1,4結合に選択性を示す変異体、α-1,6結合に選択性を示す変異体、それぞ れの変異体を得ることに成功した。
- 14:10~14:50
「新しい殺菌法(交流高電界殺菌法)を利用した果汁製品の製造」
……大澤 直樹(ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株))
交流高電界殺菌法は、「直接加熱」と「電界効果」を組み合わせた殺菌方法である。従来の蒸気を熱源する液体への間接加熱による殺菌方法に比べ、殺菌時間の短縮により、加熱による品質劣化を大幅に抑えることができる。基礎的な殺菌・品質データから、実証試験、本格稼動に至った経緯を述べる。
- 15:00~15:40
「培養装置と計装システムの今昔」
……佐久間 英雄((株)丸菱バイオエンジ)
第二次世界大戦末期に抗生物質工業が勃興し、生産用大型培養槽だけではなく、試験研究用及びパイロット試験用の小型培養槽の需要が高まってきた。1954年イタリアローマで、欧米の研究者を中心に研究成果が報告され、そこには今日の培養装置の原型となるものが数多くみられ、当時の研究者の熱い息吹がくみ取れる。その後の発展の歴史を顧み、現状を俯瞰するとともに、将来に向けての問題点、発展の方向などについても述べる。
- 15:40~16:20
「メタゲノムからの酵素触媒の開発とキラル化合物合成」
……伊藤 伸哉(富山県大)
メタゲノムから各種酸化還元酵素遺伝子の単離と解析を行い、触媒酵素のライブラリー化と、その応用を目的として研究を行っている。今回screening of gene-specific amplicons from metagenome (S-GAM)の手法を用い、Leifsonia sp. S749由来ADH(LSADH)のホモログに加え、さまざまな新規adh遺伝子(相同性が73-75%, 50-63%, 36-44%, 17%以下)を多数取得することができた。それらの解析を行った結果、有機溶媒耐性酵素、基質特異性がLSADHと異なり優位にキラルアルコールを合成できる酵素など、本法の有用性を証明することができた。