生物工学分野の英語名
世界的なレベルでの相互承認という意味合いから、ABET (Accreditation Board for Engineering and Technology, USA)に分野の英文名を届け出る必要があり、これについても相当な議論を行いました。結論として、現在ABETに登録している「生物工学および生物工学関連分野」の英文名は、「Biochemical, Biological and Biophysical Engineering and related fields」です。「生物工学」の日本語訳としては、通常、「Biotechnology」という言葉が使われるにもかかわらず、どうしてこれを用いないかと思われる方もおられるかもしれません。しかし、これについては、JABEEやABETが定義する「工学」の概念が、英語では「Engineering」であり「Technology」ではないこと、また、「生物工学および生物工学関連分野」が、現在多様な分野を包含することから、Biochemical, Biological and Biophysical Engineeringという言葉を使うことに致しました。
Biochemical、Biological、Biophysicalという言葉をどうして上記のような順番にしたかについては、米国の関連分野の調査などから、少なくとも現在の時点で生物工学が扱っている内容は、Biochemical Engineeringという分野に最も近いこと、次いでBiological Engineering、Biophysical Engineeringの順番であることが理由です。しかし、「生物工学および生物工学関連分野」が、将来にわたってこのような英文名で充分表現できているかと言われれば、今後のこの分野の発展にもかかわってくる問題でもあり、予断を許さないところです。ABETに登録してある英文名については随時変更可能ですので、会員諸氏には、忌憚のない御意見を賜りたいところです。