第77回日本生物工学会大会 (2025) では、 シンポジウム課題を2024年11月1日 (金) ~2024年12月27日 (金) に公募しました。本大会では、大会2日目の2025年9月11日 (木) と3日目の9月12日 (金) の午前に以下の27件のシンポジウムを開催いたします。
1.バイオ由来製品の開発を加速するDX・機械化・自動化の現在地と未来展望
オーガナイザー 長森 英二 (大阪工大) ,堀之内 貴明 (産総研),矢田 美恵子 (バイオインダストリー協会)
【協賛】 一般社団法人 バイオインダストリー協会 バイオエンジニアリング研究会
シンポジウム趣旨
バイオ生産プロセス開発では、培養業務などの重労働化に伴う人材不足が新規参入の障壁となり、省力化・自動化が求められている。長年、熟練者の匠の技と経験に頼ったプロセス開発や制御に頼ってきた業界であるが、データ駆動型プロセス開発や自動制御への転換が望まれている。本シンポジウムでは、汎用性の高い自動化技術、省力化、生産実証施設の在り方について、アカデミア、企業、公的研究機関、スタートアップが登壇し、現状と課題を議論したい。
2.生物工学の新たな地平を切り開く革新的バイオテクノロジー
オーガナイザー 青木 航 (阪大) ,曽宮 正晴 (阪大) ,元根 啓佑 (阪大)
シンポジウム趣旨
近年のバイオテクノロジーの発展は著しい。タンパク質デザイン・ナノポア1分子プロテオミクス・次世代ゲノム編集・光操作・次世代ドラッグデリバリーなど、生命科学のあり方を変え得る革新的バイオテクノロジーが日進月歩である。本シンポジウムでは、これらの革新的バイオテクノロジーの開発と応用に挑戦する試みの最先端を議論し、次世代の生物工学の可能性を探る。
3.若手研究者が挑む!ユニークなタンパク質機能の解析とその応用
オーガナイザー 田中 謙也 (神戸大) ,髙村 映一郎 (福井大)
【共催】 JST ACT-X「環境とバイオテクノロジー」領域
シンポジウム趣旨
ノーベル賞を受賞したAlphaFoldはタンパク質研究に革命をもたらしたが、タンパク質の中には未だ解明・活用されていない新機能が多数存在する。それらの発掘によって、SDGsに貢献する革新的なシーズの創出が期待される。JST ACT-Xでは、多様なバックグラウンドをもつ若手研究者が、ユニークなタンパク質機能の解明・応用に挑んでいる。本シンポジウムでは、光スイッチタンパク質、氷結合タンパク質、電子伝達タンパク質、セレンタンパク質、ジスルフィドタンパク質などACT-X若手研究者が取り組む独創的で挑戦的なタンパク質研究を紹介する。
4.資源循環型社会を導く新しい生物変換機能の発見
オーガナイザー 成廣 隆 (産総研) ,田丸 浩 (東北大)
【協賛】 一般財団法人 バイオインダストリー協会 新資源生物変換研究会
シンポジウム趣旨
資源循環型社会・低炭素社会の実現を目標に掲げた研究開発が世界中で推進されるなか、生物変換機能に関する新発見が次々と明らかになってきている。本シンポジウムでは、CO2 やメタンの生物変換を担う酵素反応の研究や、CO2 をバイオものづくり原料や肥料として資源化する技術開発における最新の知見をご紹介いただき、サーキュラーエコノミーに向けた方向性、技術的課題等についての議論を深めたい。
5.今こそ知りたい、ゲノム編集の基礎から最新技術
~各生物ごとのアプローチと産業応用~
オーガナイザー 河邉 佳典 (九大) ,佐久間 哲史 (京大) ,蟹江 慧 (近畿大) ,
中西 貴士 (ノボザイムズジャパン)
【協賛】 日本ゲノム編集学会 産学連携委員会・教育実習委員会、生物工学若手研究者の集い
シンポジウム趣旨
当シンポジウムでは、生物工学会におけるゲノム編集技術の普及と人材育成を目指す。現在、この技術に関する知識や応用技術は主として医療分野であり、生物工学分野での産業応用の可能性を開拓する必要がある。本企画では、幅広いユーザーに向けてゲノム編集の基礎技術から応用展開について講演することで、新たな産業利用および人材育成を推進する。
6.微生物コミュニケーション
~他者との関わりの中での土壌微生物・放線菌の生存戦略~
オーガナイザー 尾仲 宏康 (学習院大)
シンポジウム趣旨
微生物は長らく単純な単細胞生物として捉えられきたが、近年では環境応答や他生物との相互作用を通じて生存戦略を展開していることが明らかになりつつある。放線菌は主に土壌中で他生物と共存している。鞭毛を持たず移動できない代わりに、抗生物質をはじめとする多様な二次代謝産物を産生することで自身のテリトリーを確保していると考えられている。本シンポジウムでは、若手研究者による最新の研究成果を中心に、放線菌の微生物間コミュニケーションの事例を紹介し、基礎研究から産業応用への可能性を探ることを目的とする。
7.未来を創るバイオテクノロジー:社会受容と社会実装、そして社会共創へ
オーガナイザー 廣田 隆一 (広島大) ,木賀 大介 (早大)
シンポジウム趣旨
先端バイオ技術は、持続可能なバイオエコノミー社会の実現やバイオ市場の拡大に大きく貢献する可能性を秘めている。これらの技術を、私たちの生活に密接した身近なテクノロジーとして普及させていくためには、社会のバイオ技術への深い理解と安心感を築くことが不可欠である。本シンポジウムでは、藻類バイオやゲノム編集、合成生物学の最前線で活躍する研究者、科学ガバナンスに関する提言や、アウトリーチ活動に取り組む産学の専門家が集まり、これからのバイオ技術のあり方を議論する。
8.ファージに学び、開拓するナノテクノロジー
オーガナイザー 豊福 雅典 (筑波大) ,本田 孝祐 (阪大)
【後援】 環境バイオテクノロジー学会
シンポジウム趣旨
ゲノム編集技術など、ファージに端を発した研究は、生命科学や生物工学において大きなブレイクスルーをもたらしてきた。また、ファージは、細菌の種選択的制御や薬剤耐性株への対策としても再び大きな注目を集めている。本シンポジウムでは、ファージおよび最近新たに発見されたファージ様構造物について、それら「ナノマシン」の機能から改良技術、応用例に至るまで、最先端の研究成果を紹介し、議論を深める。
9.KSBB-BEST-SBJジョイントシンポジウム
第一部: Point Of Care Testingが支える安全・安心な日常生活
“A Safe and Peaceful Daily Life Supported by Point Of Care Testing”
本部企画 国際シンポジウム
オーガナイザー 中野 秀雄 (名大) ,舟橋 久景 (広島大)
シンポジウム趣旨
新型コロナパンデミックの際、LFIAによる検査(いわゆる抗原検査)は、感染者の特定だけでなく、自分が罹患していないことや、他人にうつさないという安心感を提供した。一般に人は「分からない」ということに大きな不安を感じるが、本例のように不確定さがもたらす不安に対して、Point Of Care Testing(POCT)は大きな解決策を提供する。本シンポジウムでは、POCTに関連する各国の研究者が集い、安全・安心な日常生活の実現に向けて、POCTが貢献できる領域やその意義について議論する。
10.KSBB-BEST-SBJジョイントシンポジウム
第二部: AIと情報科学が切り拓く生物工学の未来
“Shaping the Future of Bioengineering with AI and Information Science”
本部企画 国際シンポジウム
オーガナイザー 梅津 光央 (東北大)
シンポジウム趣旨
1980年代から情報科学が生物の理解に本格的に取り入れた現在、生物科学・工学の様々な分野にその利用が広がり、2024年ではAIを利用したタンパク質の構造予測がノーベル化学賞に選ばれた。本シンポジウムでは、AI・バイオインフォマティクスを生物科学・工学へ利用している各国の研究者が集い、AIが生物工学の発展に果たしてきた役割とその影響について講演をおこなうと共に、今後の技術革新がもたらす生物工学の未来について議論する。
11.醸造食品の新展開
本部企画
オーガナイザー 山田 翼 (菊正宗酒造) ,中村 彰宏 (三和酒類) ,章 超 (霧島酒造)
シンポジウム趣旨
2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、本年には「日本の伝統的酒造り」もユネスコの無形文化遺産に登録された。このように、日本の伝統的な食文化は世界に関心を持たれている。その中には多くの伝統的醸造食品も含まれるが、伝統的な食品ゆえに持続可能性に課題のある食品も多い。それらの醸造食品が発展していくために各社が取り組んでいることを特に生物工学の貢献できる視点から議論したい。
12.次世代バイオものづくりを支える技術革新と産官学連携の課題と展望
本部企画
オーガナイザー 岩谷 真太郎 (味の素) ,小西 正朗 (北見工大) ,
安原 貴臣 (アサヒクオリティーアンドイノベーションズ)
シンポジウム趣旨
次世代バイオものづくりは、産業の革新を牽引する重要な分野として期待されている。AIやバイオテクノロジー技術の飛躍的発展により、効率的かつ持続可能な生産が可能となる一方で、産業化に向けては産官学連携による大規模な開発と社会実装が不可欠である。本シンポジウムでは、技術開発の成功事例やバイオものづくりの試作支援、NEDOの具体的取り組みなどの実例を通じて、技術革新と産官学連携の課題と展望について議論する。
13.日本の食料課題と生物工学の貢献
本部企画
オーガナイザー 吉田 聡 (科学技術振興機構) ,岩谷 真太郎 (味の素) ,
安原 貴臣 (アサヒクオリティーアンドイノベーションズ)
シンポジウム趣旨
令和5年度の日本の食料自給率はカロリーベースで38%であり、アメリカ132%、ドイツ86%、イギリス65%に比べて最低の水準である。このような状況の中で、日本として食料自給率の向上を含めた食料安全保障についてどのように取り組むべきかを技術課題も含めて議論するとともに、世界的な食料問題に関する潮流を知り、さまざまな視点で食料安全保証の課題を俯瞰することで、日本の現在、そして将来の食料事情を考える機会としたい。
14.固体培養技術が切り拓くものづくりのイノベーション
オーガナイザー 神崎 浩 (岡山大) ,原 唯史 (岡山大)
シンポジウム趣旨
近年、発酵技術によるものづくりが注目されているが、「固体培養」は醸造分野以外に十分利用されてはいない。一方で、固体培養技術が進歩し、麴菌等の糸状菌の分子生物学的知見が集積してきていることから、地域に眠る未利用資源を固体培養で有用素材に変換 (アップサイクル利用) する地域活性化にもつながる産学官連携研究を展開するためのシンポジウムを開催し、固体培養技術を用いた「ものづくり」の実用化について、講演と総合討論を通じて理解を深めたい。
15.若手研究者の挑戦:環境とバイオテクノロジーに立脚したモノづくり
オーガナイザー 宇佐見 享嗣 (名大) ,加藤 俊介 (阪大)
【共催 JST ACT-X「環境とバイオテクノロジー」領域
シンポジウム趣旨
本シンポジウムは、JST ACT-X「環境とバイオテクノロジー」と共催での開催とし、生物学と化学の異分野融合を推進する若手研究者6 名(全員30 代、女性を含む)が登壇し、研究成果をもとに情報と意見を交換することで、生物工学会における学際的な交流やネットワーキングの促進を目的とする。シンポジウムでは、低分子、ペプチド、タンパク質などの多様な分子種を駆使し、細菌から昆虫、植物に至るまで多岐にわたる生物種を用いた研究について紹介する。特に、分野を横断して「環境とバイオテクノロジー」に関する議論を深めるシンポジウムを企画する。
16.合成生物学的アプローチによる微生物モノづくりの最先端
“Current Status of Developing Microbial Cell Factories Based on Synthetic Biology”
関西支部企画 国際シンポジウム
オーガナイザー 戸谷 吉博 (阪大) ,佐藤 喬章 (京大)
シンポジウム趣旨
持続可能な社会の実現に向けバイオプロセスによる物質生産の実用化が強く求められている。近年では、特に温暖化対策の観点から二酸化炭素排出量削減の目標に対して、さまざまな取り組みがなされている。合成生物学の発展により自在に細胞の代謝システムを再構成し、有用物質の生産を高効率化することが可能になってきた。本シンポジウムでは、アジアや欧米で微生物を用いた有用物質生産に取り組んでいる研究者を招き、これらの課題に対する取り組みに関して情報共有を行い、本分野において日本が進むべき未来及び果たすべき役割について考える機会を提供する。
17.最先端生物工学技術の統合による生命現象解明と創薬への挑戦
“Integrating Biotechnologies for Efficient and Comprehensive Research in Biological and Pharmaceutical Sciences”
国際シンポジウム
オーガナイザー 前田 智也 (北大)
シンポジウム趣旨
近年、生物工学に関わる研究は急速に進展している一方、一つの技術だけでは解けない複雑な課題が山積している。例えば、薬剤耐性菌の出現や、新しい治療法の開発等、我々の健康や生活に直結する問題の解決には、多岐にわたる技術の連携が不可欠である。そこで本企画では、ラボラトリーオートメーション、イメージング、構造生物学、シーケンス、シングルセルアプローチ、ディープラーニング等の最先端技術に詳しい日中韓の若手研究者6名をシンポジストとする。こうした最先端技術の統合により、薬剤耐性進化機構や、細胞の表現型特性の解明、エピゲノム機構の制御メカニズムや、新規薬剤スクリーニング等への応用を目指している最新の研究について発表・討論する。
18.メディカル+バイオエンジニアリングの新潮流
オーガナイザー 座古 保 (愛媛大) ,境 慎司 (阪大) ,神谷 典穂 (九大)
シンポジウム趣旨
高度高齢化社会において、健康寿命促進のためにメディカル・バイオエンジニアリングの果たすべき役割は大きい。生物工学、分子生物学、高分子化学、物理化学などの様々な分野を横断・融合し、医療・ヘルスケアに寄与する技術や材料、プロセスの開発が行われている。今回のシンポジウムでは、これらの最先端研究に焦点をあて、現状および未来への課題解決に向けた討論をおこないたい。
19.伝統的発酵と革新的フードテックがもたらす食の新たな可能性
本部企画
オーガナイザー 小川 順 (京大) ,竹山 春子 (早大) ,萩原 大祐 (筑波大/麹ラボ)
【協賛】 一般財団法人 バイオインダストリー協会 Food Bio Plus研究会
シンポジウム趣旨
環境問題、食料生産、食料安全保障といった社会課題の解決を目指して、伝統的発酵技術および革新的フードテックの現状と課題を明らかにする。発酵、腸内細菌の活用、麹菌による代替肉開発、細胞性食品開発、ラマン解析、ゲノム編集等、最先端技術がもたらす未来の食卓を展望し、産業界と消費者に向け多様な選択肢と持続可能な道筋を示す。食産業の活性化を促進し、 「人・社会・地球」の健康を実現するための新たな方向性を見出したい。
20.バイオものづくり社会実装に向けた異分野融合研究の最前線
オーガナイザー 岡橋 伸幸 (阪大) ,加藤 晃代 (名大)
【協賛】 JST 革新的GX技術創出事業(GteX)バイオものづくり領域
シンポジウム趣旨
2023年に発足したJST GteX バイオものづくり領域研究プロジェクトでは、バイオものづくりの社会実装を加速すべく、複数チームからなる異分野融合研究が展開されている。そこで、本シンポジウムでは、タンパク質の生産制御や機能解析に焦点を当て、酵素発現の制御や強化、ハイスループット機能評価、微量サンプルを用いた代謝経路プロトタイピングなど、各要素技術の組み合わせと、それら連携研究がもたらすバイオものづくりの新たな可能性を紹介する。
21.細胞製造産業に向けた標準化の最前線~細胞製造を支える最新の標準~
オーガナイザー 加藤 竜司 (名大) ,河内 幾生 (富士フイルムホールディングス)
シンポジウム趣旨
細胞製造産業は、次世代の医薬品から食品までの生産を担う生物工学を活用した「バイオモノづくり」の新産業としての期待されている。細胞科学としても最先端である本分野は、国策としての重点領域産業であるため、産業としての国際的競争力の獲得や世界展開の加速を視野にいれた技術開発研究が重要である。本シンポジウムでは、細胞製造産業における標準化の最先端の取り組みについて紹介・議論することで、産業化を加速するための産学連携の課題と方向性について議論する。
22.自然共生という複雑系への生物工学的アプローチ
部会企画
オーガナイザー 岡澤 敦司 (大阪公大) ,青柳 秀紀 (筑波大) ,今井 優 (信州大) ,
自然共生に学ぶ生物工学研究部会,未培養微生物 (微生物ダークマター) 資源工学研究部会
シンポジウム趣旨
人類の活動が環境に大きな影響を与えることが明らかになり、持続可能な社会の存続が危ぶまれている。生物工学においても現状の地球課題を明瞭に意識し、自然共生を基盤とする研究への展開が緊急に求められる。一方、共生という複雑系を生物工学的に扱う手法は未だ発展途上にある。本シンポジウムでは、未培養微生物(微生物ダークマター)資源工学研究部会との連携により、複雑な生物コミュニティーへの生物工学的アプローチについて議論する。
23.糖鎖工学の最先端技術とその産業展開
オーガナイザー 三﨑 亮 (阪大) ,大橋 貴生 (摂南大) ,駒 大輔 (大阪技術研)
シンポジウム趣旨
オリゴ糖などの糖鎖や、それらが低分子化合物に付加した配糖体は、接着剤や機能性ポリマー材料、ヒトの健康維持・増進、さらには医薬品リード化合物として、多様なポテンシャルを有している。本シンポジウムでは、糖質の新しい機能性評価や糖鎖工学・改変を適用した高付加価値の低分子化合物生産に挑戦する産学の精力的な研究、評価に不可欠である質量分析計を用いた最新の糖質分析事例を紹介し、産学が糖鎖工学とビジネスの観点から連携すべき展望を議論したい。
24.Understanding of Natural Products Through Their Unique Structures, Biosynthetic Machineries, and Biological Function
国際シンポジウム
オーガナイザー 荒川 賢治 (広島大) ,濱野 吉十 (福井県大)
シンポジウム趣旨
顕著な生物活性および多様な分子骨格をもった天然有機化合物の研究は世界中でなされており、その多様な生物資源供給源の確保と生合成酵素などを利用した特異分子骨格創成に注目が集まっている。本シンポジウムでは生物資源の天然有機化合物に焦点を当て、それらの単離・構造決定・生物機能に注目し、生合成酵素を利用した高機能化合物生産、遺伝子発現制御を基軸にした休眠二次代謝の覚醒技術に焦点を当て、生物工学や代謝工学を駆使した「ものつくり」の研究成果および将来展望について議論する。
25.セルインダストリー発展に向けた細胞製造工学の進化
~国際競争力獲得に向けて大量浮遊培養に求められる技術~
部会企画
オーガナイザー 堀江 正信 (京大) ,木田 克彦 (日産化学) ,次世代アニマルセルインダストリー研究部会
シンポジウム趣旨
ヒト細胞を大量に製造する科学技術の進展は、再生医療や細胞治療の社会実装を支えると同時に、細胞製造という新たな産業の国際競争力を左右する鍵となる。しかし、現場で直面する課題と最先端技術の間には依然として大きなギャップが存在し、その克服が急務である。本シンポジウムでは、細胞製造の産業化を加速させる「大量浮遊培養」のスケールアップ技術に焦点を当てる。この領域での工学的ブレークスルーを牽引する先端技術を紹介するとともに、ヒト細胞培養のスケールアップにおいて日本が世界をリードするために必要な学術的課題を洗い出す。さらに、生物工学の新たな可能性を探求し、その未来像を議論する場を提供する。
26.生物工学におけるDX推進に向けた技術革新
部会企画
オーガナイザー 馬場 健史 (九大) ,内山 進 (阪大) ,松田 史生 (阪大) ,バイオ計測サイエンス研究部会
【協賛】 一般社団法人 日本分析機器工業会 (JAIMA)
シンポジウム趣旨
近年、最先端のバイオテクノロジーは高性能化された革新的研究機器、技術のもとで生み出されているが、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくためには、さらなる技術革新が必要である。日本生物工学会バイオサイエンス研究部会は学会本部と連携し、日本分析機器工業会 (JAIMA) 会員企業と連携した産学連携の取り組みを行ってきた。その中で、バイオテクノロジー分野において必要とされるニーズを掘り起こし、日本分析機器工業会 (JAIMA) 会員企業のシーズと結びつけるための議論の場として、本シンポジウムを実施させていただきたい。
27.博士人材のためのキャリアパスシンポジウム ~博士をとった後に待つ未来~
若手会企画
オーガナイザー 蟹江 慧 (近畿大) ,曽宮 正晴 (阪大) ,三浦 夏子 (大阪公大) ,橋本 講司 (東大) ,
谷口 百優 (島津製作所)
シンポジウム趣旨
学生や若手研究者などの博士人材が明確なキャリアパスを思い描くためには、先達のキャリアパスを知ることが大きな助けとなる。しかし、そのような情報に触れる機会はいまだ少ないのが現状である。本シンポジウムでは、さまざまな領域で活躍中の博士人材に登壇していただき、キャリアパスを考える上での障壁やその解決案、活躍の場の共有を行うことで、学生や若手研究者が将来を楽しく思い描くための一助としたい。