第67回 日本生物工学会大会(2015)後記
最終更新日:2016.01.13
大会実行委員長 酒井 謙二
日本生物工学会第67回大会は、2015年10月26日~28日に鹿児島市の城山観光ホテルで行われました。初日午前中には、授賞式、受賞講演があり、午後からは3日間にわたり、ポスター発表による一般講演と4会場を使ったシンポジウム講演が行われ、26日夕刻には懇親会、27日夕刻には若手交流会と企業懇談会が開催されました。
台風時期を避け、後期の授業がすでに始まった10月平日の開催としたため、参加者が少ないのでは、と常に心配しながらの準備でしたが、トピックス集のキャッチフレーズ『集え全国のバイオテクノロジスト、桜島 焼酎の聖地へ』の言葉通り、一般講演申込(852件)、学会参加申込(予約、当日を合わせ1641名)、若手交流会(学生72名を含む158名)について、いずれもこれまでで最多を記録し、結果的には大盛会となりました。懇親会にはご招待者を含めて599名に参加いただきましたが、残念ながら当日申込の何名かにはお断りをさせていただきました。附設展示には49社にご協賛いただき、またランチョンセミナーとして12社に技術セミナーを提供していただきました。
ランチョンセミナーにおいては、従来の実績からは充分な収容人員(480名/日)のはずでしたが、予約の締切日前の段階ですでにすべての会場がほぼ満席になり、聴講できなかった方が少なからずあったかと思います。一般講演のポスター会場は充分に議論のスペースをとったつもりでしたが、予想を超える申込数から、会場奥は空調機の性能を超えて暑く感じられました。また会場となった城山観光ホテルは丘の上にあり、会場へのアクセスについては朝晩の運行バスの増便をしましたが、相当な待ち時間を必要とするなどご不便をおかけしたようです。このように準備や運営における反省点も多々ありました。
2015年度学会各賞受賞者(敬称略)
後列向かって左から、Zhao、Ye、一瀬、善藤、榎本、佐藤、
磯﨑、鬼塚、徳山、三村、緋田、加藤、須志田、Köroğlu
前列向かって左から、飯島、福﨑、西尾、髙下、吹谷、金、高橋
今回、大会準備の段階からいくつかの試みがありました。別冊プログラム集を発刊せず、オンライン版のみにし、大会HPで公開しました。要旨集では目次構成を刷新し、PDF版に加えePUB閲覧ができるようにしました。これにより、目次、人名索引、キーワードからのジャンプ機能、検索機能が付加され、ノートパソコン、タブレットなどでの使い勝手が格段に向上しました。
シンポジウムの公募では、テーマを「ものづくり―バイオを開拓する若い力」と統一し、部会活動などとの兼ね合いを考慮しつつ3つの本部企画を含む20のプログラムを選定致しました。今回、KSBBからの招待講演者にはこれらのうちのもっとも近いセッションに加わってもらいましたが、これは概ね好評でした。また、初日の1つのセッションに九州学生本格焼酎プログラム(QSP)の活動の一環として会員および市民を対象とした市民フォーラムを取り入れたのも新しい試みでした。
最終日午後の充実と合わせて、関西、関東方面に帰られる方の最終航空便の時間を考慮し、30分早めてセッションを開始したのですが、結果として、最終日午後のシンポジウム参加者数の平均は100名を超え、効果があったのではないかと考えています。
昨年度の札幌大会の反省から、「台風直撃」や「桜島噴火」などの緊急事態における対処と参加者への連絡方法が検討されましたが、大会中は概ね天気に恵まれ、わずかに噴煙をたなびかせた桜島は雄大な姿を見せてくれました。2日目夕刻に強いにわか雨がありましたが、オールインワンの会場がここで効果を発揮し、シンポジウム会場とポスター会場の行き来も雨に濡れることがありませんでした。今回検討するなかで話題にあがったTwitterなどのSNSを利用した連絡は次年度以降の検討に委ねたいと思います。
今大会でも多くの企業様から焼酎、ビール、ウィスキー、清涼飲料などのご提供と、要旨集・トピックス集の広告掲載による御協賛を快くお引き受けいただきました。ことに九州本格焼酎協議会様には、九州各県と沖縄の泡盛も含め174銘柄の焼酎をご提供いただき、懇親会時「焼酎講座」の受講後に堪能していただきました。
49社に協賛いただきました附設展示会場はポスター会場とつながった会場で行われ、両会場の間に若手飛翔賞受賞者名簿と、論文賞要旨を掲示するなどパネル配置には苦労いたしましたが、出展企業様からは好評でした。またその会場でゲリラ的に提供された「幻の芋焼酎3M試飲会」も好評でした。幅広い関連企業とのウィン・ウィンの関係を構築することは本会にとってとても重要です。また、中西印刷、ダイナコム、エーイー企画などの各社と学会事務局との共同作業によって大会準備・運営が順調にできました。ご協力、ご支援いただきました企業および団体各社様に心からお礼申し上げます。
最後に、鹿児島大会は九州支部全体での開催を掲げ、プログラム作成、トピックス選定、広告、飲料依頼など九州全県のメンバーで臨みましたが、特筆すべきは九州大学の若手の先生方、鹿児島大学の先生方と学生さんの頑張りです。皆の建設的なアイデアと「おもてなし」の姿勢が予想を超える盛会につながったことと確信しています。鹿児島空港行き直行バスの4台目に最後の乗客が駆け込み、会場スタッフ総出で見送ったあとは安堵感と達成感から大きな拍手がおこりました。あらためてご協力いただきましたたすべての皆様に感謝致します。
授賞式(会長挨拶)
ポスター会場
懇親会で焼酎の鏡開き
懇親会の焼酎コーナー