『ひらく、ひらく「バイオの世界」』イラスト・写真館
―青いバラのつくり方(Q26)―
投稿日: 2012.11.28 最終更新日: 2012.11.28
植物がどんな色の花を咲かせるかは、その植物が生まれつき持つ酵素の種類によって決まります。バラ、カーネーション、キク、ユリなどは、多くの青い花に含まれる「デルフィニジン」という色素を合成するために必要な「青色化酵素」を持っていないため、青い花を咲かせることができません。
酵素はタンパク質ですので、生体内では遺伝子の情報をもとにつくられます(転写・翻訳)。遺伝子の情報が書き込まれているDNAは生物すべてに共通ので、ある生物から取り出して別の生物に入れることができます。まず、青色化酵素の遺伝子(DNA)をパンジーなどの青い花から取り出しました。次に、このDNAをバラやカーネーションの細胞に入れ、遺伝子の入った細胞だけを選びだします。そして、その細胞から植物体を再生することにより、花の色が青いバラやカーネーションを作ることができました。