『ひらく、ひらく「バイオの世界」』イラスト・写真館   助け合って生きる微生物たち

蛍光顕微鏡により観察したこの写真は、「メタン生成細菌」の集まり(緑色)のまわりに、「酸生成細菌」(赤色)が寄り添って暮らしている様子を示しています。これらの微生物たちは、群れをつくり共生することによって、有機物からメタンを生成して生きています。

微生物の群れを観察する手法は、「FISH(fluorescence in situ hybridization)法」と呼ばれます。FISH法では、細胞や微生物のゲノムDNAと結合するDNA(プローブ)を用意し、それに蛍光物質を付け、プローブと結合した細胞や微生物を蛍光顕微鏡で観察します。

二種以上の微生物を同時に観察する場合、二重に結合させます。今回は、酸生成細菌のDNAと結合する蛍光プローブ(赤色)と、メタン生成細菌のDNAと結合する蛍光プローブ(緑色)を使用したという訳です。この写真には、メタン生成細菌が2種類いて、糸状のMethanosaeta属と、団子状のMethanosarcina属が観察されます。

 

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