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  • 日時: 2015年1月27日(火)13:30~18:00
     
  • 場所: 黄桜株式会社(京都市伏見区横大路下三栖梶原町53)
       TEL/FAX: 075-611-4129 (担当:研究所 古川 幸子)
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  • 講演:(13:30~15:00)⇒講演要旨はこちら

「食の循環の健全化に向けた微生物科学研究」
…島 純(龍谷大学法学部及び農学研究所)

「糸状菌の生理活性物質生産に関する研究」
…木下 浩(大阪大学生物工学国際交流センター)

「山廃酒母の安定製造と酒質の多様化について」
…北岡 篤士(黄桜株式会社研究所)

  • 見学: 黄桜株式会社  15:00~16:30
     
  • 懇親会: キザクラカッパカントリー  17:00~19:00
     
  • 定員: 90名(定員になりしだい締め切ります。)
     
  • 参加費: 1,000円(税込)・学生は無料
  • 懇親会会費: 3,000円(税込)
    (参加費、懇親会費は当日会場にてお支払い下さい。)
     
  • 申込み方法: 氏名、一般・学生の別、所属、連絡先(TEL、E-mail)、懇親会の出欠を明記の上、お申込フォーム、または、下記の申込み・問合せ先にFAXまたはE-mailでお申し込み下さい。
     
  • 申込先: 〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1
    神戸大学自然科学系先端融合研究環 関西支部庶務担当 蓮沼 誠久
    TEL/FAX. 078-803-6202 E-mail: hasunuma@port.kobe-u.ac.jp
     
  • 交通: 近鉄桃山御陵前駅より徒歩15分、もしくは京阪中書島駅より徒歩20分

「食の循環の健全化に向けた微生物科学研究」

龍谷大学法学部及び農学研究所 島 純

食品ロス(食べられる状態にありながら廃棄されている食品)や食品廃棄物の問題が顕在化している情勢を鑑み、微生物機能利用による食の循環の健全化を介した環境保全技術構築に資することを目的に研究を行った。すなわち、食品製造プロセスの効率化による食品ロスの低減及び食品廃棄物等からの有用物質生産の両面から研究を実施した。本発表では、1) 酵母の環境ストレス耐性機構の解析と食品製造への応用、2)有機酸耐性機構の解明と新規バイオ燃料生産プロセスの構築、3)ノンコンベショナル酵母の機能探索と油脂等の有用物質生産への応用、に関する研究結果を紹介する。
 

 「糸状菌の生理活性物質生産に関する研究」

    大阪大学生物工学国際交流センター 木下 浩

一般的にカビ(糸状菌)は食物を腐敗させたり、アレルギーの原因になったりするために、嫌悪されることが多い微生物であるが、発酵食品産業にとっては多大な貢献をしている有益な菌群でもある。特に日本においては、国菌と称される麹菌が日本酒、醤油、味噌作りなど、多岐にわたって利用され和食文化を支えている。また、近年では糸状菌から抗生物質など数多くの生理活性物質が発見されており、新規化合物の主要な探索源ともなっている。しかしながら、糸状菌における遺伝子組換には様々な困難な問題があったため、近年まで分子生物学的手法による研究は特定の菌に限られていた。今回は、糸状菌からの新規生理活性物質の単離から、生合成遺伝子の同定、麹菌を用いた異種生産系の構築に至る研究過程を通じて確立した汎用的な遺伝子工学的技術について報告する。今後、開発した技術を用いて糸状菌の潜在能力を最大限利用し、社会への貢献を目指している。
 

「山廃酒母の安定製造と酒質の多様化について」

黄桜株式会社研究所 北岡 篤士

山廃酒母は仕込み時に乳酸添加を行わず、乳酸菌をはじめ複数の微生物の働きを利用することで制菌し安全な酵母の発酵を促すユニークな醸造方法である。一般に山廃酒母は、硝酸還元菌と球状乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides)、桿状乳酸菌(Lactobacillus sakei)が順に微生物遷移を起こすとされている。近年衛生環境が改善される反面、こうした微生物の酒母への持ち込み量は減少し、安定した酒母の育成が難しくなりつつある。このため、当社では山廃酒母から有用な硝酸還元菌と乳酸菌を単離し、安定した酒母の育成を可能とした。さらに乳酸菌種と酵母種の組み合わせを検討することで、酒質にバリエーションをつけることが可能となった。実際の醸造現場における山廃酒母の製造方法について解説するとともに、自社の山廃酒母の微生物遷移の様子を紹介する。

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