【関西支部】第105回醗酵学懇話会
日本生物工学会関西支部では、第105回醗酵学懇話会を以下の通り開催いたします。
- 日時 2014年8月19日(火)13:30~18:00
- 場所 キリンビール(株)神戸工場
(〒651-1516 兵庫県神戸市北区赤松台2-1-1)
Tel: 078-986-8005
- 講演(13:30~15:00)
「キリン一番搾り生ビールのおいしさとこだわりについて」
……野口 勝弘(キリンビール (株) 神戸工場 )
⇒講演要旨はこちら
「代謝デザインへ向けたシステムバイオロジー」
……古澤 力(理化学研究所 生命システム研究センター)
⇒講演要旨はこちら
- 見学(15:00~15:50 ) キリンビール(株)神戸工場
- 懇親会(16:00~17:30) キリンビアパーク神戸
- 定員 80名(定員になりしだい締め切ります)
- 参加費 1,000円(不課税)/学生 無料(当日会場にてお支払い下さい)
- 懇親会会費 2,000円/学生 1,000 円(当日会場にてお支払い下さい)
- 申込み方法 氏名、一般・学生の別、所属、連絡先(Tel、E-mail)、懇親会参加の有無を明記して、WEBのお申込フォーム、または、下記の申込み・問合せ先にFaxまたはE-mailでお申し込み下さい。
- 申込み・問い合わせ先
〒657-8501
神戸市灘区六甲台町 1-1 神戸大学自然科学系先端融合研究環
日本生物工学会 関西支部庶務担当
蓮沼 誠久
TEL.&FAX: 078-803-6202
E-mail: hasunuma@port.kobe-u.ac.jp
- 交通
JR福知山線三田駅前から懇話会出席者専用の送迎バス(日本交通株式会社)を運行します。12:30に出発いたしますので、ホテルメルクス向かい側(地図参照)からご乗車ください。タクシーの場合、三田駅前からキリンビール神戸工場までは2300円程度です。
講演要旨
キリンビール株式会社 神戸工場 醸造エネルギー担当 野口 勝弘
麦芽100%ビールは、麦本来のうまみが味わえる一方で、「重厚な、渋み、雑味が多い」味わいになってしまうことがデメリットとして挙げられる。そこで、 当社の一番搾り生ビールでは、一番搾り製法を用いることで、渋みや雑味を低減し、麦本来のうまみが純粋に感じられる味わいに仕上げている。
一番搾り製法 は、世界的にも極めてユニークな製法であるが、通常ビールを製造する際、麦の皮を取り除く麦汁濾過工程で、もろみから自然に流れ出る一番搾りと皮の周りに ついたエキス分を洗い流す二番搾りを合わせて使用する。二番搾りを用いる理由は、エキス損失を抑える経済的な理由とともに、皮から抽出されるポリフェノー ル類に由来する渋みが味全体にコクを付与するためである、一番搾りはそのコンセプト上、すっきりした味わいを大事にしていることからあえて二番搾りは使用せず一番搾りのみを用いることにした。本年度は、すっきりした味わいを更に強化させ、チェコ産のファインアロマホップもふんだんに使うことで一番搾りを進 化させるリニューアルを行った。
理化学研究所 生命システム研究センター 古澤 力
多くの微生物のゲノムが解読され、主要な代謝経路や遺伝子機能の多くが明らかになった今日、バイオプロセスの標的生産物質の収率や生産性を改変する合理 的、かつ体系的な「代謝デザイン」の手法の確立が重要となっている。本講演では、代謝デザインへ向けて我々のグループで行っている以下の2つの試みを紹介 する。
- in silico 代謝シミュレーションによる代謝デザインとその実験的検証。ゲノムスケールの代謝モデルを用い、標的生産物質の収率を上昇させる遺伝子改変を計算機上で予測する手法を開発し、その実験的検証を行った。
- 大腸菌の進化実験を用いた環境ストレス耐性機構の解析。様々な環境ストレスの下で長期植え継ぎ培養による進化実験を行い、次世代シーケンサによる変異解析、トランスクリプトーム解析、メタボローム解析を組み合わせることにより、ストレス耐性獲得の分子機構を解析した。